参院選神奈川 国の新型コロナウイルス対策 社会機能維持で増す負担 主要候補アンケート

2022年7月1日 07時33分

陽性者が登録する「県療養サポート」LINEの画面。女性が受診したクリニックからは案内の紙をもらっただけだった=藤沢市で

 保育所は感染者が出ても原則開園するー。
 第六波で新型コロナウイルスの感染が拡大していた二月、県は、県の保健所が所管する市町村に通知を出した。保育所では、保健所による濃厚接触者の特定を行わない方針も示した。休園が相次いで子どもの預け先のない医療従事者が出勤できず、診療体制に影響が出ていたためだ。国は濃厚接触者を特定してから休園を判断するよう求めていたが、保健所の業務逼迫(ひっぱく)も背景に、「地域の実情に応じた柔軟な対応」を認めた。
 迎えた五月の大型連休明け。鎌倉市の認可保育所では園児と職員に陽性者が出た。園は通知に従い、保育を継続。感染は広まり、園児十六人、職員五人が感染し、三日間は休園を余儀なくされた。ただ、クラスター(感染者集団)とは認定されず、濃厚接触者の特定も行われなかった。
 園を運営する社会福祉法人の小林忍理事長(76)は、「私たちは医療の専門家じゃない。本来は保健所がやることを保育園に投げている」と憤る。県民間保育園経営研究会の代表世話人として二月下旬、県に通知の撤回と対応の改善を求める要望書を出したが、対応は変わらず、感染者が出た後も開園を続けるうちに多数の感染が起きた。
 県の担当者は「通知はお願いベース」と説明。開園を続けるかは保育所を管轄する各自治体の判断に委ねており、実際の運用の状況は調べていないという。
 コロナ禍も三年目。医療体制や保健所機能、社会・経済活動の維持のため、個々の負担が増す側面が強まったのは保育所だけではない。病床不足を受け、国が舵(かじ)を切った「自宅療養」の患者対応にも垣間見える。
 三月下旬に感染した藤沢市の女性(51)は喉の痛みや発熱から陽性とわかり、自宅療養した。初日に「県療養サポート」LINEに登録。毎日、体温とパルスオキシメーターで測った血中酸素飽和度を入力した。
 十日間の療養中、保健所からの電話は一度もなかった。話したのは自宅ポストに薬を届けてくれた薬剤師の電話のみ。LINEの入力を忘れた時にかかる電話も自動音声だった。高齢者などの「重点観察対象者」以外、原則として配食サービスはない。発症直前にたまたま買い置いていた食材で乗り切った女性は漏らした。「対応は機械的に感じた。自分は軽症だったし、自宅療養の情報をネットで調べられたが、行政からは説明不足。症状が良くならない人やネットができない人は不安になると思う」
 国は第七波に備え、医療体制などこれまでのコロナ対応の検証を進めている。(神谷円香) =おわり

<アンケート>新型コロナ対策

 これまでの政府の新型コロナウイルス対策は評価できますか。また、医療体制や社会・経済活動維持のためにどんな政策が必要だと考えますか。

■評価する

 自民現職の三原じゅん子さん(57)は「当初不可能といわれたワクチンの一日百万回接種を政府主導で実現し、大きな集団感染を発生させることなく東京五輪開催を後押しし成功したことは評価すべきだ」とした。
 自民元職の浅尾慶一郎さん(58)も「行政上の課題など浮き彫りになったところもあったが、比較的迅速なワクチン接種率の向上などによって沈静化を図った点など、一定の評価はできると考える」と答えた。
 公明現職の三浦信祐さん(47)は「ワクチン接種の加速化や治療薬の積極的な活用、支援金や給付金などの経済対策を評価」とし、「今後、後遺症対策や、生活者や事業者への支援強化が必要」と回答した。
 NHK党新人の小野塚清仁さん(49)は「結果的に他の先進国より被害が少ない」と答えた。

■評価しない

 立民新人の寺崎雄介さん(50)は「国産のワクチン経口薬を作らない。感染症対策への備えがなっていなかった。重症急性呼吸器症候群(SARS)などの教訓を生かしていない」と回答した。
 立民新人の水野素子さん(52)は「検査体制を十分に整えず、医療・保健所体制を逼迫させ、多くの陽性者が自宅待機を強いられている事態は危機的。自宅療養者への支援策を早急に整えるべきだ」と答えた。
 維新元職の松沢成文さん(64)は評価しないとした上で「感染症法上の位置付けを五類とすることで、早期発見・早期治療を可能にし、国民の命と健康を守るとともに、社会活動を正常化させる」とした。
 共産新人の浅賀由香さん(42)は「ワクチン接種の遅れ、検査不足、保健所などの体制逼迫で第六波では一万人超の犠牲者が出た。感染拡大防止に本腰を入れ、社会保障、補償・支援の拡充が必要」と回答した。
 国民新人の深作ヘススさん(37)は「ダメージを受けた分野への補償を手厚くし、企業の再生を支援するとともに、経済全体の回復のための緊急措置として消費税5%への減税を実現する」と必要策を回答した。
 社民新人の内海洋一さん(63)は「特に非正規労働者の生活再建のために消費税の三年間ゼロ税率を実施すべきだ。財源は企業の内部留保への臨時課税で」とした。
 いずれもN党新人の重黒木優平さん(35)は「そこまで危険性が高くないと分かってきている中でいつまでも対策を続けるのは賛同できない」、橋本博幸さん(39)は「後手後手になっている」、飯田富和子さん(53)は「マスク、消毒薬なしでさらなる混乱、とにかく説明がない」とした。
 諸派(幸福実現党)新人の壱岐愛子さん(36)は「国民の経済活動を規制し不況を加速、全体主義化させた」とした。
 諸派(共和党)新人の首藤信彦さん(77)は「検査の遅れ、保健所への依存、自治体との意思疎通不全」などと回答した。

◇選挙区立候補者(届け出順)(改選4+1…22)

寺崎雄介 50 立新
重黒木優平 35 N新
浅賀由香 42 共新
水野素子 52 立新
橋本博幸 39 N新
三浦信祐 47 公現<1> 自
内海洋一 63 社新
三原じゅん子 57 自現<2>
グリスタン・エズズ 37 諸新
萩山あゆみ 44 諸新
浅尾慶一郎 58 自元<2>
小野塚清仁 49 N新
松沢成文 64 維元<2> 
深作ヘスス 37 国新
久保田京 45 諸新
藤沢あゆみ 55 無新
壱岐愛子 36 諸新
飯田富和子 53 N新
首藤信彦 77 諸新
針谷大輔 57 諸新
藤村晃子 49 諸新
秋田恵 40 無新
 党派の略称は、自=自民、立=立民、公=公明、維=維新、共=共産、国=国民、社=社民、N=N党、諸=諸派、無=無所属(候補者の年齢は投票日基準)
 ※+1は合併選挙で非改選の欠員1を補充

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