参院選千葉 1票の現場から オスプレイ、重なる負担増 騒音、安全性 日米一体化に懸念

2022年7月1日 07時41分

雨の中、双眼鏡片手に爆音のする方向を見る、基地近くに暮らす男性=いずれも木更津市で

 「今日は雨で飛ばないだろうけど」ー。六月中旬、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地近くで、オスプレイがどんな訓練をするのかを見守る市民団体の会合があった。雨天で参加者は数人。遠くで、「バラバラ」という機体の音が聞こえると、双眼鏡を手にした七十代の男性が「低周波騒音も出ていそうな音。オスプレイがエンジンをかけているのではないか」とつぶやいた。
 防衛省は、陸自にオスプレイ十七機を配備する予定で、最終的に佐賀空港(佐賀市)への配備を目指す。だが、佐賀では地元住民の反対が強く、二〇二〇年七月から木更津駐屯地に暫定配備されることになった。
 さらに同駐屯地では、一七年二月以降、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の米海兵隊MV22オスプレイの定期整備も行っている。これまでに整備を終えた五機が同飛行場に帰還。三機が今も整備中だ。
 米軍横田基地(東京都福生市など)や木更津などを拠点に首都圏の空を飛ぶオスプレイは、低周波音による健康への影響、騒音のほか、安全性への懸念もある。そのため木更津市議会六月定例会ではオスプレイ関連の質問が相次いだ。
 ノルウェー北部で三月、米海兵隊のMV22オスプレイが墜落した原因は何か。市議の質問に、市側は「防衛省によると『事故原因は現在調査中だと承知している』とのこと」と応じた。「危険な機体だ」との指摘には、「安全性については防衛省の責任において積極的な情報発信を求めていく」と答えるだけだった。
 質問が連日続いていた六月八日、今度は米カリフォルニア州南部の砂漠でも、同じMV22が墜落する死亡事故が発生。昨年十二月と今年二月、横田基地所属のCV22オスプレイが館山市の館山航空基地に「予防着陸」をしたこともある。
 これまで市は「南西諸島の防衛力強化のためには、西日本地域に配備すべきだ」とし、「佐賀の地元調整とは関係なく暫定配備は『五年』で約束している」と明言。渡辺芳邦市長も「約束通り五年の『暫定』を死守」と発言してきた。
 しかし、木更津駐屯地での整備を巡っては、二〇年五月、二三年以降に新たに米海軍用のCMV22も整備対象に加える構想が明らかにされた。市民が度重なる負担増に心配を募らせている。
 「オスプレイ来るな いらない住民の会」の野中晃事務局次長は「米海兵隊機の整備開始に、陸自機のような説明会はなかった」と振り返りつつ、そもそも木更津駐屯地は米軍から返還されていない「木更津飛行場」敷地内にあることから、「米軍の言うがまま、一方的に海軍機の整備が始まらないか」と懸念する。
 日米地位協定も密接に関わるとみて、市内では「地位協定を学ぶ木更津の会」も発足した。薬局を運営する石川淳一会長は「日本では敵基地攻撃論が盛んだが、戦争になったら相手国が同じ理屈で軍事施設を標的にする。その点、沖縄も木更津も同じ」と強調。木更津で整備を終えた米海兵隊MV22が帰投する沖縄で、この問題に取り組む人たちとの連携も模索する。「今回の選挙で地位協定にどう取り組むか各党に問いたい。外交の力で戦争が起こらない方向に持っていく姿勢が大切だ」
 野中さんも「明日はわが身。辺野古、高江と基地問題に苦しむ沖縄県民に、どんな姿勢をとる政治なのかは、首都圏でもこの先、私たちがどう扱われるか、判断する参考になる」と口をそろえた。(山本哲正)

上空を飛ぶオスプレイ


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