参院比例の「非拘束名簿式」とは? 「ドント式」で獲得議席決定、得票が多くても落選する「逆転現象」も

2022年7月2日 06時00分
<参院選投票ガイド㊥>
 参院選の比例代表では、「非拘束名簿式」という当選者を決める仕組みが2001年から採用されている。それまでは「拘束名簿式」という仕組みだった。拘束名簿と非拘束名簿。普段はなじみのない言葉だ。名簿によって拘束されているのは、当選の順番だ。
 拘束名簿式は、あらかじめ政党側で候補者の当選順位を定めた名簿を決めておく方法で、政党の獲得議席に応じ、名簿の上位から順に当選者が決まる。有権者は政党名の投票しかできなかった。
 政党名か名簿に載っている候補者名、どちらかに投票する非拘束名簿式は、政党の候補者名簿はあるが、当選順位はあらかじめ定められていない。
 当選者の決め方はやや複雑だ。まず、政党名の得票数と候補者名の得票数を足した総得票数を算出する。そこから「ドント式」という計算式を使って各党の獲得議席を決定。その議席数の範囲で、個人名票の多い順に当選する。
 この制度では、候補者の個人名が書かれた票も政党の得票になる。知名度による集票力を期待し、芸能界やスポーツ界出身の有名人が擁立されることも多い。
 非拘束名簿式の問題点として指摘されるのが「逆転現象」だ。候補者名の得票が多くても、所属する政党の獲得議席が少ないために落選する「高得票落選者」がいる一方、所属する政党の獲得議席が多いため、候補者名の得票が少なくても当選する「低得票当選者」もいる。
 2019年参院選では、3議席獲得した国民民主党の得票4位の候補者は約19万票で落選。一方、7議席獲得した公明党の得票7位の候補者は約1万5000票で当選した。この参院選の比例代表全体では、政党名の得票は約75%、候補者名の得票は約25%だった。(市川千晴)
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 参院選の投票方法や当選者決定の仕組みを、3回に分けて解説します。

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