米国の最高裁が「トランプ化」 保守派判事多数、バイデン大統領の温暖化政策に不利な判断

2022年7月1日 20時08分
米連邦最高裁

米連邦最高裁

 【ワシントン=吉田通夫】米連邦最高裁は6月30日、連邦政府の環境保護局(EPA)には、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量を広範に規制する権限はないとする判断を示した。温暖化対策を重視するバイデン政権にとって大きな打撃となる。最高裁はトランプ前政権時に選任された3人を含めて保守派判事が多数を握り、バイデン大統領に不利な判断を相次いで示している。
 バイデン氏は判決を受けて声明を発表し、「気候変動と闘うわが国の力を損なう可能性がある」と最高裁を批判。政権の法務チームに対し「気候変動の原因となる有害な汚染から米国人を守り続けることができる方法を見つけるよう指示した」と説明した。
 訴訟では、石炭産地のある南部ウェストバージニア州など野党・共和党の支持者が多い州が、EPAには石炭火力発電所などには温室効果ガス排出を規制する権限はないと訴えていた。最高裁はEPAには火力発電から再生可能エネルギーへの移行など、発電所からのガス排出量を幅広く規制する権限を法律で与えられていないと結論づけた。
 保守派判事6人が判断を支持。このうち3人は、温暖化を「信じない」としたトランプ前大統領の政権時に選任された。リベラル派3人はEPAには規制権限があると判断したが、多数決で敗れた。
 バイデン氏は気候変動サミットを主催するなど対策を重視し、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。今回の判断で、規制には新たな立法措置や議会承認が必要になる可能性があり、実現は遠のく見通し。
 最高裁は夏休み前の6月下旬に判断を集中させる傾向があり、国内世論を二分する問題で保守層寄りの判断を相次いで示している。保守派が求めた拳銃を携行する権利は認め、リベラル派が求めた人工妊娠中絶の憲法上の権利を否定。政治色が強過ぎるとして、国民の信頼は低下傾向にある。

おすすめ情報

気候変動/1.5度の約束の新着

記事一覧