プーチン氏、一方的に「サハリン2」を接収 三井・三菱も共同出資の燃料開発事業 日本のエネルギー事情に暗雲

2022年7月1日 20時24分
プーチン大統領(AP)

プーチン大統領(AP)

 【モスクワ=小柳悠志】ロシアのプーチン大統領は6月30日、日本企業などが出資する極東サハリンの天然ガス・石油開発プロジェクト「サハリン2」について、運営会社を国有化する大統領令に署名した。外国の資金と技術力で進められてきた巨大プロジェクトをロシア政府が事実上接収することになり、日本のエネルギー事情にも一定の影響を及ぼす可能性がある。
 大統領令は「自然や人間によって生み出された脅威に対し、ロシアの国益を守る」と明記。サハリン2運営会社の「サハリン・エナジー」の従業員や全資産をロシアが新たに設立する会社に移すことを定めた。
 サハリン2はロシア国営ガスプロムが約50%、英石油大手シェルが27.5%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資。シェルはロシア軍のウクライナ侵攻を受けて撤退を表明したが、日本政府は「長期的な視点と国益」(外交筋)に基づき、事業参画を続ける方針を示していた。
 日本の商社はプーチン氏側近でもあるロシアのエネルギー系企業幹部と強いコネクションがあるが、日ロ経済界が築いてきたエネルギー安全保障の構造を大統領が覆す異例の事態となる。現地メディア「サハリン・インフォ」によると、三井物産と三菱商事は、ロシア政府に対応措置を要望することが可能だが、ロシア側が日本側の利益を考慮するかは不透明だ。
 三菱商事のホームページによると、サハリン・エナジーは年間960万トンの液化天然ガス(LNG)生産能力があり、その6割は日本向けに供給している。また日量15万バレルの原油生産能力も備えている。

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