「鎌倉殿の13人」 三谷幸喜が語る「落馬シーン ずっと温めていた」 頼朝の最期 政子は?義時は?

2022年7月2日 07時37分
 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は源頼朝(大泉洋)が最期の時を迎え、物語は新たな章に入る。権力掌握のため兄弟や家臣を力で排除し、視聴者から「嫌われ者」扱いされた大泉頼朝。脚本の三谷幸喜(60)が取材に応じ、「僕は長い間(物語の)頼朝に寄り添い、苦労も知っている。彼ほど寂しい人間はいなかったのではないか」と思いをはせた。 (上田融)
 六月二十六日放送回は、古くからの家来、安達盛長(野添義弘)が手綱を引く馬に乗った頼朝が意識を失い、落馬。盛長の「佐殿(すけどの)!」の声が響き、ピアノの調べの中で終了した。
 落馬の瞬間、妻政子(小池栄子)、主人公の北条義時(小栗旬)らが何をしていたかも描かれた。頼朝を「静かに死なせてあげたかった」と語る一方、三谷はこの場面を「ずっと見たいと思っていた」と明かす。

落馬直前の頼朝が、林の中を進む劇中シーン

 原点は一九七九年の大河「草燃える」だった。高校生の三谷は、石坂浩二演じる頼朝の落馬シーンを見て「脚本家になるなんて思っていなかったが、僕ならこうするというアイデアがあった」。それが落馬と同じ時の、近しい者たちの行動をとらえたシーンだった。思いが形になり「四十(数)年前に見たかったシーンはこれだと感じた」。
 大役を終えた大泉について「彼が演じたからこういう頼朝像になった。彼以上に演じられる人はいなかった」とねぎらう。「日本中に嫌われていると思っているようなので、『日本中が嫌っても僕は好きだよ』と電話した。『おまえのせいだ!』と言っていたけど」とジョークも口にした。
 物語は今後、権力闘争が激しくなる。政子は「尼将軍」となっていくが、伝えられるような悪女として描くつもりはなく、「母として妻として当然やるべきことをやっているだけで、事態がどんどん悪くなるのが悲劇。真摯(しんし)な一人の女性として一生を描く」という。
 義時も「(史実と)同じ人生をたどるが、最初からダークサイドに落とそうと書いているわけではない。今はどの段階か、僕の書く義時と、演じる小栗さんで見つけていく感じ」と、芝居のライブ感を大切にしている様子だ。
 脚本は現在も進行中。「主人公が息を引き取った瞬間に終わるのが理想」というが、「そこにたどり着けるか分からない。今言えるのはそこまでです」。

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