高浜町に43億円寄付 原発運営 円滑化狙いか

2019年11月24日 02時00分
 関西電力高浜原発がある福井県高浜町が一九七〇年度以降、関電側から少なくとも計四十三億円余りの寄付金を受け取っていたことが、町の決算書や関係者への取材で分かった。このうち六割超は高浜原発3、4号機の営業運転が始まる直前の八〇年代前半に集中。多額の寄付金を提供することで、円滑な原発運営を推進する狙いがあったとみられる。
 関電は取材に「相手との関係もあり、個別の寄付実績は差し控える」と回答。電力会社の会計ルールを定めた電気事業会計規則に基づき、有価証券報告書では、電気事業営業費用の「諸費」に計上していると説明した。町は一部の寄付者を匿名としており、使途については「記録がなく、分からない」としている。
 七七~八七年に町助役を務めた森山栄治氏(故人)は長年にわたり関電の役員らに金品を提供。同社から町に多額の寄付金が渡っていたことになり、こうした不透明な「原発マネー」の流れを関電の第三者委員会(委員長・但木(ただき)敬一元検事総長)が検証する可能性もある。
 町の決算書によると、関電と関連会社は七〇年度以降、十回にわたり計約三十四億八千万円を寄付。他に寄付者が匿名の七〇年代の四件計約八億六千万円も、町関係者が関電からの寄付と認めた。
 関電は3、4号機の工事に着手した八〇年度に十億一千八百万円を、その後3号機に続き、4号機の営業運転が始まる八五年度までに計十七億三千八百万円を提供した。高浜町の決算書には「地域振興事業寄付金」「土地造成費寄付金」などと記載されているが、実際に何に使われたかは「記録が残っていない」(町総務課)という。
 原発立地自治体には電源三法に基づく交付金が支給され、二〇一九年度に町が受け取った交付金は約二十四億円だった。
 電源立地地域対策交付金交付規則によると、交付金をどう使うかは国の審査対象となり、実際の交付後は金額や使途が経済産業省のホームページに掲載される。一方電力会社からの寄付金は、国や寄付者に使途を報告する必要がなく、外部からのチェックを受けない。

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