水没乗り越え 感謝の音色 台風被災後初コンサート 福島・相馬の「子どもオケ」

2019年11月24日 02時00分

コンサートで演奏する「相馬子どもオーケストラ&コーラス」のメンバー=23日午後、東京都江東区で

 東日本大震災の被災者支援のために設立された福島県相馬市の「相馬子どもオーケストラ&コーラス」は、台風19号で楽団員らの楽器が水没する被害に遭った。国内外からの寄付などを支えに、子どもたちは二十三日、被災後初となるコンサートを東京都内で開いた。
 楽団を主宰するエル・システマジャパン(東京)がインターネットで寄付を呼び掛けると、国内のほか米英、台湾の音楽団体などから約一カ月で約百万円が集まった。関係者は「音楽を愛する人たちの支援が広がった」と話す。
 相馬市の自宅が床上浸水した中学二年吉田里紗さん(13)のチェロは接着部分がはがれ、中には泥水がたまっていた。「ショックで言葉が出なかった」が、寄贈された代替器で練習を継続。コンサートには修理された愛器で臨むことができ「台風の時に助けてくれた人たちへの感謝を込めた。うまく演奏できて、よかった」と語った。
 主宰団体は二〇一二年、南米ベネズエラ発祥の無償音楽教育プログラムを導入しようと設立。震災や原発事故で被災した子どもに音楽を通じて協調性や表現力を養ってもらおうと、楽団を結成した。楽器修理を担当する後藤賢二さん(77)は「震災や台風で被害に遭った子どもたちに、音楽の力で少しでも元気になってほしい」と語った。

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