参院選比例代表の優先席「特定枠」を詳しく 政党側が指定、少得票でも当選できる 今回は11人が利用

2022年7月3日 06時00分
<参院選投票ガイド㊦>
 参院選の比例代表は、政党名か候補者名のどちらかに投票する。そして政党の獲得議席の中で、候補者名の得票が多い順に当選者が決まる。これを「非拘束名簿式」という。だが、2019年参院選から、政党が当選させたい候補者を優遇できる「特定枠」という仕組みが導入された。
 特定枠は、政党があらかじめ名簿に順位をつけて当選者を決める「拘束名簿式」だ。現行の比例代表は、非拘束名簿式と拘束名簿式、2つの決め方が混在する。得票数という客観的な指標で当選者を決める制度に、政党の都合で例外を設けることができる仕組みになっている。
 特定枠の候補者は、政党が議席を獲得すれば、個人名の得票数に関係なく優先的に当選する。19年、自民の特定枠候補の1人は約3000票で当選した。ただ、個人としての選挙運動は禁止され、個人名の得票は政党票として数えられる。
 特定枠が導入された背景には、有権者数が少ない隣県を1つの選挙区にする合区がある。鳥取と島根、徳島と高知の合区対象県で、選挙区から候補者を出せなかった県を地盤とする候補者を優遇するために、自民党が導入を推進した。
 19年参院選で、自民は島根、徳島を地盤とする2人に特定枠を使った。この選挙では、鳥取、高知を地盤とする候補者が選挙区から出馬した。れいわ新選組は、難病の患者と重い障害がある人を特定枠で擁立。比例で2議席を獲得し、特定枠の2人が当選した。一方、100万票近い個人票を集めた代表に議席は回らなかった。
 特定枠を使うかどうかは政党次第。一部だけ使うことも、全てを特定枠にして名簿の順位を固定することも可能だ。今回の参院選では、3党・政治団体の11人が特定枠候補になっている。(市川千晴)
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 参院選の投票方法や当選者決定の仕組みを、3回に分けて解説しました。

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