トルコが北欧2カ国揺さぶり 「テロ容疑者」を引き渡さなければ、NATO加盟の手続き見送り示唆

2022年7月2日 20時45分
6月29日、NATO首脳会議が開かれたスペインのマドリードで、スウェーデンのアンデション首相(左)とすれ違うトルコのエルドアン大統領=AP

6月29日、NATO首脳会議が開かれたスペインのマドリードで、スウェーデンのアンデション首相(左)とすれ違うトルコのエルドアン大統領=AP

 【カイロ=蜘手美鶴】スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を巡り、トルコのエルドアン大統領が再び両国に揺さぶりをかけている。両国内にいるクルド労働者党(PKK)メンバーなどテロ容疑者の引き渡しに言及した、3カ国による覚書の履行を改めて要求。実行されない場合は、NATO加盟に向けた批准手続きを行わない可能性を示唆している。
 地元紙などによると、エルドアン氏は1日、イスタンブールで報道陣に「約束は重要だが、実行することがより重要だ。覚書は問題解決を意味するものではない」と強調。6月30日のNATO首脳会議後の記者会見でも「両国が義務を果たすなら(加盟申請の批准手続きは)議会に送られるだろうが、果たされないなら問題外だ」と述べた。
 28日にトルコと北欧2カ国が署名した覚書では、PKKがテロ組織であることや、対トルコ武器禁輸措置の解除など10項目を確認。トルコが「テロ容疑者」と認定する人物の引き渡しについても「トルコの要請に迅速に対処する」ことが記載され、エルドアン氏が実行を求めている。
 一方、スウェーデンのヨハンソン法相は30日、「非スウェーデン市民が引き渡されるのは、国内法と欧州条約に適合している場合だ」と指摘。フィンランドのニーニスト大統領も同日、「(トルコの主張するテロ容疑事件は)フィンランドでは解決されたと認識している」と述べ、慎重な姿勢を示している。

関連キーワード


おすすめ情報

国際の新着

記事一覧