ミャンマー情勢打開へASEANの議長特使が再び現地入り しかし国軍の民主派への攻撃は止まず

2022年7月2日 21時31分
6月30日、ネピドーで、ミャンマーのワナマウンルイン外相㊨と会談するカンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相=カンボジア外務省のホームページから

6月30日、ネピドーで、ミャンマーのワナマウンルイン外相㊨と会談するカンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相=カンボジア外務省のホームページから

 【バンコク=岩崎健太朗】昨年2月のクーデター後の混乱が続くミャンマー情勢を巡り、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長特使が現地入りしている。人道支援を優先させるとして国軍トップらと会談を重ねるが、この間も国軍は民主派勢力への攻撃を継続。ASEAN議長国のカンボジアやミャンマー国軍が、事態打開の姿勢をアピールする場に終わるとの見方も出ている。
 特使を務めるカンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相は、先月29日から5日間の日程でミャンマー入り。今年3月に続き2回目となる。
 30日には、ASEAN主導の人道支援の一環として、中国から寄贈された新型コロナウイルスワクチン200万回分を国軍当局に提供。事態打開のためにASEANが策定した「5項目の合意」に触れ、「合意を実施するというASEANの総意が示された」と成果を強調した。
 ただ民主派はこうした支援に「国軍が政治的に利用するだけで、避難民など必要な人たちに届かない」などと反発。「5項目の合意」のうち「暴力の即時停止」や「全当事者による対話」は棚上げされたままだ。
 ASEANは、特使とアウンサンスーチー氏ら民主派幹部との面会を求めているが、国軍は今回も拒否。少数民族武装勢力の一部との会談は持たれる見通しだが、抵抗を続ける有力勢力は含まれていない。
 民主派や少数民族勢力は地の利のある国境地帯を拠点に抵抗を続けているが、国軍は砲撃や空爆を激化させている。30日にはタイ北西部の国境を越えてミャンマー国軍の戦闘機が飛来。タイ側は戦闘機2機を緊急発進させ、外交ルートで警告する事態となった。
 国連によると、クーデター以前も含めたミャンマーの国内外の避難民は220万人を超えている。国連人権理事会でミャンマーを担当するトム・アンドリュース特別報告者は6月の会合で、国際社会に対し「ミャンマーの危機に対する現在のアプローチは機能していない」と、国軍への圧力を強めるよう警告した。

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