<記者だより>「変な店」 野毛で38年続いた焼き鳥店が…

2022年7月3日 07時27分
 横浜・野毛地区で三十八年続いた焼き鳥店が五月末で閉店した。「とうちゃん」の愛称で親しまれた小菅英夫さん(78)が愛妻と切り盛りしていた赤ちょうちんの小さな店だ。四十歳で脱サラして開業。私は三十一年前の新人時代、先輩記者に連れられて訪れた。
 常連客には議員や警察官、公務員、サッカーの往年の名選手も。小菅さんは「よく来たな。ここに座れ」「どんなに偉いやつでもとうちゃんは呼び捨てなんだ。変な店だろ」といつもうれしそうに話していた。
 閉店を知らせる紙を四月半ばに張ると、連日満席。北海道や沖縄など全国から駆けつけ、中には鹿児島から飛行機で来て飲まずに日帰りした人もいた。客同士の縁を結び、百二十組超が結婚。子連れ客も多く、壁には「大好きだよ。1歳から通い続けて20歳になった○〜ちゃんより」の文字。客から帰り際に「いつもの、やって」とせがまれると、両肩に手をやり「負けるなよ」と励ました。
 これからどうするのかと尋ねる客に「気ままに全国を旅するよ」。本当の理由は話していない。愛妻のパーキンソン病が悪化。「そばにいてやりたいんだ」(西田義洋)

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