「無駄なことに税金使わないで」「未来への投資をもっと」<これは言いたい!参院選>

2022年7月3日 18時05分
 物価高に直面しながら迎えた参院選。暮らしでの困り事が山積する中、政治家に伝えたいことは?有権者に聞いた。

◆客足考えて値上げ我慢

遠藤功太郎さん

 靴店店主 遠藤功太郎さん(49)=東京都江戸川区
 東京・下町で営む靴店は創業82年。今年に入って円安や原油価格の高騰で、上履き一足当たりの仕入れ値が50〜100円上がった。スニーカーなど目玉商品は価格を1000円以下に据え置くが、経営状況は厳しい。「利益を減らしても、なんとか値上げは我慢している。お客さんを減らしたくないから」
 新型コロナウイルス禍の外出自粛で生活スタイルが変わったためか、売り上げは約2割減。売れ行きを見つつ小まめに、慎重に仕入れをするなどして耐えてきた。この間、廃業した問屋やメーカーもある。
 国会議員に毎月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)など、税金の使い道に本当に無駄がないのかと疑わしく思う。「小売店や庶民はずっと厳しいのに。無駄なことに税金を使ってほしくない」。そんな視点で投票先を選びたいと言う。(奥野斐)

◆子育て世帯支えて 

志村友規子さん

 放課後クラブ運営 志村友規子さん(48)=横浜市都筑区
 横浜市都筑区の小学校3校で「放課後キッズクラブ」を運営するNPO法人「オーシャンキッズ」理事長。帰宅しても保護者がいない児童らに遊びや生活、勉強の場を提供している。保護者とも日々接する中、「保護者の逃げ道が少なく、1人で悩みを抱えているケースも多い」と語る。
 特に負担が重いと感じているのは、共働きやひとり親世帯という。都市部は核家族化や地域とのつながりの希薄化もあり「子どもに何かあっても、頼れる人や相談先がない。子育てでもいっぱいいっぱいなのに、自分も何らかのトラブルを背負い込んだら心を病んでしまう」。
 そんな保護者を政治に支えてほしいが、「政治家は今もおじさんが中心で育児から遠い」と嘆く。状況がすぐに改善されるとは考えていないが、「子育てや子ども支援を厚くしてくれる候補者に投票したい」と話す。(酒井翔平)

◆息子3人の食費不安

富岡弘典さん

 会社員 富岡弘典さん(39)=千葉市緑区
 
 専業主婦の妻と2〜6歳の男児3人の5人暮らし。日々の食事や家族で外出した際のまとまった出費が家計を直撃しているという。
 家族5人の1回の食事にかかる費用は、夫婦2人の時の倍近くに上る。今は、食料品の物価高騰が気掛かりだ。「男の子はこれからが育ち盛り。食費はどこまで上がっていくのか」
 子ども向け映画を家族で見る時の出費も負担に感じる。「大人の入場料は2000円近くかかる。子どもの付き添いなら無料にしてくれればよいのだが」
 コロナ禍では、子ども1人につき10万円相当の国の臨時特別給付金を3人分受け取った。家計の足しにはなったが、「将来に借金を先送りしているだけではないか」とも思う。
 「その場しのぎではなく、子どもが育った後の未来を考えてくれる人に投票したい」(鈴木みのり)

◆若い世代への投資を

榎本千賀耶さん

 デザイナー 榎本千賀耶さん(35)=埼玉県本庄市
 「若年層の投票率が低いと、いい世の中にならない」と、若い世代の政治への関心が低いことに不安を感じている。「このままでは年金など、投票率が高い高齢者層に響く施策ばかりを国は優先してしまう」
 1歳半になったわが子たちが生きていく未来を憂う。例えば子育て。「子どもが産みづらいってこういうことなんだ」と妊娠して初めて感じた。
 「子どもができると土日に働きづらくなる。私のようなサービス業の、それも女性ばかりが、それまで通り働けなくなる」。働き盛りの若い世代を支援する「未来への投資をもっと」と願う。
 選挙に関心を持ってもらおうと、同年代の仲間たちと商品を持ち寄って月に1回開いている「マーケット」で、参院選の投票証明書の持参者に、抽選でプレゼントを贈る企画を練っている。(渡部穣)

◆納得いくコロナ対策を

石川喜助さん

 お手玉サークル会長 石川喜助さん(87)=東京都千代田区
 7年前、妻に先立たれた。「子どもに迷惑をかけたくない」と東京・神田で独居生活を送る。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、定期的に地域で開かれた高齢者向けの食事会も中止になった。「独居の身に巣ごもりはつらい。寂しさで駄目になるかと思った」
 日ごろ、お手玉を楽しむサークル「神田お手玉の会」を主催する。手を動かして脳を刺激するのが狙いだ。閉じこもり過ぎはかえって健康を害すると思い、自費で検査キットを用意するなど感染対策をし、月に1度は集いを開催。「また会えたね」と励まし合ってコロナ下を乗り切ってきた。
 政治に期待するのは納得がいくコロナ対策だ。飲食店を営む知人も多いが、休業要請や経営支援の給付金など実態とずれている部分もあると感じた。「これまでの対策は適切だったか、しっかり検証して競い合ってほしい」(井上靖史)

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