メールでの投票依頼がダメな理由って?LINEやFBでは可能、落選運動もアリなのに…

2022年7月3日 20時48分
 10日投開票の参院選で、有権者に認められた選挙運動を巡り、電子メールによる特定の候補者への投票依頼を禁じた公職選挙法の規定に疑問の声が上がっている。インターネット選挙の解禁以降、交流サイト(SNS)では投票を呼びかけられるようになっているためだ。同じメールでも、対立候補を名指しした「落選運動」は可能で、関係者から「おかしい」「改善すべきだ」との不満が噴出している。(曽田晋太郎)
 ネットを通じた選挙運動は2013年の公選法改正で解禁され、「ウェブサイト等」と「電子メール」に分類された。ウェブサイト等には、無料通信アプリ「LINE(ライン)」や「フェイスブック」、動画投稿サイト「ユーチューブ」などが含まれ、有権者による特定候補への投票依頼ができる。
 一方で、メールの利用は政党や候補者を除いて禁じられた。有権者が候補者名を挙げて「あなたの一票を投じてください」と呼び掛けると、公選法違反に問われる可能性がある。2年以下の禁錮または50万円以下の罰金という罰則もあり、場合によっては選挙権と被選挙権も停止される。
 総務省の担当者は禁止の理由について「(メールは)誹謗ひぼう中傷やなりすましに悪用されやすい」と説明するが、落選運動では利用可能。公選法が想定する「特定の候補者の当選を目的とした行為」に当たらないとの解釈からだ。送信者のアドレスや氏名の表示を条件に「○○候補を落としましょう」とメールできる。
 昨年10月の衆院選で、神奈川県内の小選挙区に立候補した野党候補を支援した男性(71)はメールを活用。知人らに送信したが、公選法に配慮して候補者名の記載を避け、選挙情勢の説明など遠回しの表現にとどめた。「対立候補の落選運動はあえてしなかったが、現行の制度は釈然としない。高齢者はSNSよりメールの方が使い勝手がいい場合もある」と訴える。
 若者の政治参加に向けた政策提言を続ける一般社団法人「日本若者協議会」の室橋祐貴代表理事は「SNSでも誹謗中傷やなりすましはあり得る。メールだけ規制する合理性はない」と指摘。「若者らが政治参加しやすくするためにも、メールを使った運動を含む選挙制度の枠組みを変える議論を進めるべきだ」と主張する。

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