ゼロコロナ政策維持に腐心する習近平政権 秋の党大会にらみ 景気対策で庶民の不満緩和に躍起

2022年7月3日 19時36分
 【北京=新貝憲弘】中国の習近平しゅうきんぺい政権が、厳しい行動制限で新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策の維持に腐心している。長期政権を目指すため政策の成果を誇示する習氏だが、上海でのロックダウンに代表されるように経済への悪影響は深刻。景気対策や部分的な緩和にも踏み切り、庶民の不満を和らげようと懸命だ。

6月28日、中国・武漢市を視察する習近平国家主席(中央)=新華社・共同

 「わが国は人口規模が大きいため、『集団免疫』や『成り行き任せ』のような防疫政策を取れば目も当てられない結果になる」
 習氏は6月末に湖北省武漢市を視察した際、ゼロコロナ政策が中国の実情に合わせて生まれたものであり、特に高齢者や子どもを守るためにも維持しなければならないと強調した。
 習氏の発言はゼロコロナ政策の堅持に聞こえるが、実際は緩和とも取れる動きが相次いでいる。中国政府は隔離期間を2週間から1週間に短縮したほか、国内移動の制限も緩和。李克強りこくきょう首相は積極的なインフラ投資で就職難の解決や消費喚起を促すよう指示した。国営新華社通信は「われわれはコロナ防疫と経済社会の発展をよく釣り合わせ、今年の経済を比較的良いレベルまで発展させる自信がある」との論評を配信した。
 中国政府は今年、前年比約5.5%の経済成長目標を掲げるが、今春の上海でのロックダウンで物流や商業活動が深刻な影響を受けるなど、目標未達を予想する声も多い。必要以上に厳しい措置で庶民の不満もたまっており、経済紙「経済観察報」は「今後庶民の法的権利が制限される政策が出る時は、個人の利益への影響が最小限に抑えられる方式が取られるだろう」との社説を出した。
 中国共産党トップの総書記を務める習氏は、今秋の重要会議、第20回党大会で異例の3期目続投を図る。そのためにもいかに経済と社会への悪影響を抑えながらゼロコロナを維持するかが、習政権にとって当面の関心事といえそうだ。

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