フィリピンのマルコス新大統領に訪米要請、バイデン氏が親書で 中国との綱引き活発化

2022年7月3日 20時01分
フィリピンのマルコス新大統領(中央)。左は母イメルダさん、右は妻ルイーズさん=AP

フィリピンのマルコス新大統領(中央)。左は母イメルダさん、右は妻ルイーズさん=AP

 【バンコク=岩崎健太朗】フィリピンの新大統領に就任したフェルディナンド・マルコス氏に対し、バイデン米大統領が訪米を要請する親書を送ったと、地元メディアが3日報じた。東南アジアなどへの影響力を米国と争う中国も、ドゥテルテ前政権同様に「中国重視」の継続を働きかけており、新大統領を巡る米中の綱引きが活発化しそうだ。
 複数のフィリピンメディアは駐米フィリピン大使の話として、6月30日の大統領就任式に出席したハリス米副大統領の夫エムホフ氏が「双方の日程が許せば首都ワシントンに招待したい」と記した大統領親書を手渡したと伝えた。マルコス氏は「日程が許せばすぐにでもそうしたい」と応じたという。
 マルコス氏は、父の故マルコス元大統領の遺産を巡り亡命先の米ハワイで起こされた裁判の判決に従わず、侮辱罪に問われているため「渡米は困難」との声が上がっていた。
 しかし、大統領当選後に米側はそうした見方を否定。ドゥテルテ前大統領は在任中に一度も訪米せず、中国傾斜を強めたことから、米国は関係改善に向けて秋波を送っている。
 マルコス氏は就任翌日の今月1日、空軍創設75周年の式典で「フィリピンが抱える争いを考えれば、近代化された強い空軍が必要だ」などと演説。南シナ海で実効支配を強める中国を意識し、国内向けに強気の姿勢を示した。
 一方で「中国は最大のパートナー」と配慮した発言も繰り返し、衝突を避けたい本音ものぞく。中国は大統領就任式に王岐山おうきざん国家副主席を派遣し、真っ先に会談を取り付けるなど存在感を見せつけている。
 米中間のバランス外交で国益を確保することが課題となるマルコス氏は、就任後初の外遊先が注目されるが、軋轢あつれきを避けるために東南アジアの近隣国などが浮上している。

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