出生数は過去最少、高齢者は全人口の3割…増え続ける社会保障費の財源はどうするべきか?

2022年7月4日 06時00分
参院選「公約点検」 ⑥少子高齢化対策
 2021年の出生数が約81万人と過去最少を記録する一方、65歳以上は全人口の3割に迫る。増え続ける社会保障費は22年度に過去最多の約36兆3000億円まで膨らみ、60年代には現役世代1.3人で高齢者1人を支える「肩車型」社会が訪れるという予測もある。来年4月に予定される「こども家庭庁」発足も見据え、各党は少子高齢化対策に力を入れるが、財源を巡っては違いが際立つ。
 自民党は、若者から高齢者までバランスの取れた給付と負担を実現する「全世代型社会保障の構築」を掲げ、子ども関連予算の「将来的な倍増を目指す」と明記した。岸田文雄首相(党総裁)は少子化を「国にとって最も大きなリスクの一つ」と指摘する。ただ、財源については具体的な記述がなく、事実上棚上げしている。政府が6月にまとめた経済財政運営の基本指針「骨太方針」でも「社会全体での費用負担の在り方を含め、幅広く検討」とあいまいな表現にとどめている。
 公明党は高校3年までの医療費無償化など、子ども関連予算の大幅拡充を打ち出した。「社会全体で連帯する『普遍的な子ども支援制度』を確立し、財源基盤を強化」と記すが、財源をどのように確保するかは検討するとしている。
 立憲民主党は公約の3本柱の一つに「教育の無償化」を挙げた。児童手当の増額や支給期間延長、所得制限の撤廃などを掲げ、19年度に対国内総生産(GDP)比1.73%だった、子育てなどに使う家族関係社会支出を3%台まで引き上げる目標を示す。財源に国債を充てることも選択肢に含まれるという立場だ。
 教育・科学技術予算を現在の2倍の10兆円規模に増やすと訴える国民民主党も、財源として「教育国債」の創設を提唱。全ての子どもへの毎月3万円給付などを盛り込んだれいわ新選組は「主な財源は国債」と説明している。
 これに対し、共産党は将来世代につけを回す「野放図な国債発行」として疑問視。法人税や所得税の増税などで19兆円を生み出し、大学・専門学校の学費半減などの財源として活用すると提案する。
 税制の見直しで対応するのは日本維新の会も同じだ。経済的な理由で出産を諦める人を減らす狙いから、子どもの人数が多いほど税負担を軽減する仕組みの導入を主張する。
 社民党は子ども関連予算の増額を約束し、NHK党は児童手当の所得制限撤廃を政府に求めるとした。(柚木まり)

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