公平な採点をどう担保 都立高校入試 英語スピーキングテスト試行

2019年11月19日 02時00分

スピーキングテストに向けて防音用イヤーマフの調整などをする生徒たち=18日、東京都内で

 2022年度の東京都立高校入試から、民間委託で導入が予定される英語スピーキングテストのプレテスト(試行調査)が18日、都内公立中3年生が参加して行われ、報道公開された。スピーキングテストは試行から本格実施まで当面5年間、ベネッセコーポレーション(岡山市)が受託。都教育委員会側にはノウハウが乏しく、実施を民間に頼らざるを得ない面があるが、専門家は「民間への丸投げは問題だ」と指摘する。 (石原真樹)
 今回の調査は問題内容などを検討するため実施。生徒がイヤホンやマイクなどを装着し、タブレット端末の画面を見ながら解答をマイクで吹き込む形式で、約十五分間行われた。試行は今月から始まり、この日は多摩地域の会場で中三生の約百三十人が協力した。
 本年度は中三生の一部の八千人、来年度は全ての中三生八万人を対象に試行し、現在の中一が受験する二二年度から結果を都立高校入試に反映させる。同テストが英語の得点の17%程度を占める方向で検討中だ。
 都教委によると、問題案は学習指導要領に基づきベネッセが作成し、都教委が監修する。採点は、録音した音声をベネッセの複数の海外拠点で二人の採点者が行い、疑義がある場合は同社の別の担当者がさらにチェックするという。
 都教委の担当者は「都民に信頼される制度であることが大事だと考えている。問題と解答、採点基準は試験後に公開する」と話す。
 ただ、採点への都教委の関与はなく、公平性をどう担保するか課題は残る。
 英語スピーキングテストに詳しい京都工芸繊維大学の羽藤由美教授は「民間だからいけないとは言えないが、業者の仕事内容を都教委がチェックする必要がある」と指摘。「解答の一部を都教委が採点して業者の採点と一致するかを点検したり、ダミーの解答を紛れ込ませて採点の質を確認したりするなどの方法が考えられる。入試という重大な局面だけに、採点などを業者に丸投げしたのでは、受験生や保護者が納得しないだろう」と話している。

 <東京都立高入試の英語スピーキングテスト>都教委は2017年、有識者委員会の提言を受けて、民間試験活用による方式での導入を決定。学習指導要領で求められる英語の「読む・書く・聞く・話す」の4技能のうち「話す」の技能を評価する狙い。19年度の試行調査の事業費は約1億円で、本格実施になればさらに費用がかかる。民間活用の英語スピーキングテストは福井県が検討しているが、費用の問題などで導入の見通しは立っていない。

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