若者の斬新な意見を政界に フードパントリーで社会活動 筑波大付属坂戸高校・高橋さん、亀谷さん <高校生が見る政治・選挙>

2022年7月6日 07時50分

社会活動を通じて感じたことや政治への思いを語る高橋さん(左)と亀谷さん=坂戸市の筑波大付属坂戸高校で

 終盤戦を迎えた参院選。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて5度目の国政選挙となるが、若者の投票率は低迷が続いている。一方で「Z世代」と呼ばれる現在20歳前後の若者は、社会問題に関心が高いとも言われる。その世代に当たる高校生たちは政治や選挙をどう見ているのか。話を聞いた。
 筑波大付属坂戸高校(埼玉県坂戸市)三年の高橋愛美(まなみ)さん(18)と亀谷凪沙(なぎさ)さん(17)は、貧困世帯などに食料を無償配布するフードパントリーに取り組む。活動を通じて若者も社会に積極的に関われると知り、それが多様性につながると感じている。政治の世界にも若い世代が増えてほしいと願う。
 同校のフードパントリーは昨年二月に始まった。現在はメンバー約二十人で二カ月に一回、校内で実施。地元のひとり親家庭など二十世帯が訪れ、寄付された飲み物やおやつ、缶詰などを配っている。
 活動は生徒の働き掛けで始まったが、地元企業や坂戸市も関わる。当初二人は「大人が主導権を握るのかな」と不安もあったが、実際は自分たちの考えも尊重され、年齢を気にせず意見を出し合いながら活動しており「高校生でも社会に参加できる」と自信を持てた。
 「私たちのことを同年代の高校生や中学生が知れば、『自分たちにもできる』と社会活動に挑戦するかもしれない。大人だって『高校生にできるなら、自分たちはもっと頑張れる』と刺激になるはず」と高橋さん。自分たちの取り組みが社会全体を活気づけるきっかけになると信じている。
 大人のメンバーには運営や企画の課題を指摘してもらうなど、助けられることは多い。一方で亀谷さんは、交流サイト(SNS)を駆使した情報発信や最新のトレンドをつかむのは、自分たちの方がたけていると自負する。「意見のぶつかりを恐れず、いろいろな世代で話し合うことで一番いい成果が生み出せる」。それは政治の世界も同じはずで、「若者は社会経験が少ない分、かえって常識にとらわれない斬新な意見が出せる」と力を込める。
 六月に十八歳になった高橋さんは、今回の参院選で初めて選挙権を得た。投票所入場券に書かれた自分の名前を見て「国を動かす責任が自分にも来たと感じて、緊張した」という。政治への関心も芽生えてきたが、ニュースで見る議員は「おじいちゃん」が多い印象だ。「社会活動で高校生が大人の世界に入り込む隙間があるように、政界でも若い人が隙間をこじ開けてほしい」(杉原雄介)

<国政選挙での10代の投票率> 18歳選挙権が初めて導入された2016年参院選は46・78%で、20、30代を上回った。19年参院選は32・28%に急落し、全体より15ポイント以上低かった。衆院選は17年、21年ともに40%台前半だった。衆参いずれも50代以上は60%を超えることがほとんどで、その差が目立っている。


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