<問う@いばらき参院選>(上)物価高 日用品 全て値上がり

2022年7月6日 08時00分

店内の酒瓶を整える野沢清司さん。今秋にも見込まれるアルコール類の値上げに戦々恐々という=筑西市で

 参院選は投開票(十日)に向け終盤戦に突入した。茨城選挙区(改選数二)でも八人の候補者が連日、舌戦を繰り広げている。県内の有権者は何に重きを置いて一票を託すのか。「物価高」「東海第二原発」「新型コロナ対策」の三つの政策テーマに分けて、各地で聞いた。
 「肉や小麦粉、油など全てが値上がり。いろんなものが一気に上がるなんて初めてだよ」。筑西市で居酒屋「序居(じょい)のざわ」を営む野沢清司さん(66)にとって、目下最大の関心事は何といっても昨今の物価高だ。
 店は下館駅や市役所に近い繁華街にある。ランチは定食や麺類、夜はコース料理などを提供し、地元の家族連れやサラリーマンらの腹を満たしてきた。
 二〇二〇年以来、新型コロナウイルス禍による臨時休業や営業時間短縮を迫られ続けてきた。今年に入ってようやく客足が回復しつつあるところを、物価高に見舞われた。
 食材の中でも、特に輸入牛肉の値上がりは激しい。牛タンの仕入れ値は年初から四割ほど上昇し、米国産からオーストラリア産に変更。それでも太刀打ちできず、今年春ごろから提供を取りやめた。
 価格転嫁したのは一部の飲み放題のコースだけで、ほかは据え置いている。「四月にメニューを書き換えているので、すぐに替えられない。何よりも、値上げでお客さんが離れてしまうのが怖い」
 物価高は飲食店の経営だけでなく、消費者の暮らしにも打撃を与えている。
 那珂市のスーパーで買い物をしていた同市菅谷の主婦関口倭文子(しずこ)さん(88)は、「食料だけではなく、日常必要なものが全て高くなっている」とこぼした。
 価格上昇が著しい小麦粉を米粉に替えるなど「生活防衛」に努めてきた。だが、表向きの値札はそのままに量やサイズを小さくした「実質値上げ」に頭を痛めているという。
 百円均一の雑貨店を利用した時のこと。風呂上がりに使うヘアキャップを購入したが、サイズが小さくなっていてかぶれなかった。別の店で買い直したため、無駄な出費となった。
 「トイレットペーパーで幅が小さくなっている商品も増えている。物差しを買い物に持っていく訳にも行かない」と苦い顔だ。
 総務省によると、五月の消費者物価指数(CPI、生鮮食料品を除く)は昨年同月を2・1%上回った。とりわけ電気(18・6%)やガス(17・0%)、食用油(36・2%)の上昇が深刻だ。
 物価高の背景には、ロシアのウクライナ侵攻が長引いていることによる資源価格の高騰などがある。四、五月には、政府・日銀が目標としてきたCPIの上昇率2%を二カ月連続で超えたとはいえ、日銀は「経済の好循環によるものではない」と認める。
 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、物価の変動を反映して物やサービスをどれだけ購入できるかを示す実質賃金は五月、昨年同月比で1・8%のマイナスとなった。
 「庶民の暮らし向きがどんどん悪くなり、貧富の差が開いているような気がする」と関口さん。参院選では「政策が本当に実現できるかを考えて、投票する政党や人を決めたい」と力を込める。(出来田敬司)

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