熱海土石流訴訟 前所有者、請求棄却求める 市の補助参加、取り下げか

2022年7月7日 08時10分

弁論準備手続きの後、報道陣の質問に答える前所有者代理人=沼津市で

 熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害の遺族らが、被害を拡大させたとされる盛り土のあった土地の前・現所有者らに損害賠償を求めた訴訟の弁論準備手続きが六日、静岡地裁沼津支部であった。前所有者側は請求棄却を求める方針を示した。
 五月の第一回口頭弁論に出廷しなかった前所有者側は、原告側が主張する違法な盛り土の造成について、具体的な時期や行為が明らかになっていないなどと指摘した書面を提出。前所有者の弁護団は「責任の所在がどこにあるのか訴訟を通じて、はっきりさせたい」と述べた。
 一方、原告側は現所有者の下で働いていた男性の証人申請をし、陳述書を提出。現所有者が土石流発生まで盛り土の存在を知らず、危険性を認識していなかったとする主張に反論する。
 訴訟では、市は裁判への参加を促す「訴訟告知」を現所有者側から受け、原告側での補助参加を決めている。しかし、原告団は八月末までに県と市に対しても、損害賠償を求める訴訟を起こす予定で、提訴後に両裁判を併合しての審理を求める方針。そのため、補助参加についての裁判所の判断は保留となっている。
 現所有者側代理人の河合弘之弁護士は、市の補助参加を「被告になれば利益相反がある。補助参加は取り下げになるだろう」との見解を示した。
 訴訟では遺族ら八十四人が原告となり、計約五十八億二千万円の損害賠償を求めている。

関連キーワード


おすすめ情報

静岡の新着

記事一覧