ロシア下院「経済動員令」を可決 軍への支援強化のため 国の意向で休日出勤、物資調達契約も拒めず

2022年7月7日 19時49分
ロシアのプーチン大統領(AP)

ロシアのプーチン大統領(AP)

 ロシア下院は6日、特別軍事作戦と称するウクライナ侵攻で軍への支援を強化するため、企業の従業員らが休日や夜間でも必要に応じて働くよう定めた特別措置法案を可決した。事実上の「経済動員法」となる。下院は経済制裁回避に向け、企業の取引情報を公表しないようにする法案も可決。戦闘の長期化を見据えた経済統制の動きが、ロシア国内で強まっている。
 特措法の可決は独立系メディア、メドゥーザなどが伝えた。法案では、政府が企業などに対し「労使関係の特別な規制」を設ける権利を得る。企業は国の方針に沿って時間外や夜間、祝祭日も従業員を働かせられる一方、国家防衛のための調達契約を拒否できなくなる。製造業や金融関係企業が対象とみられる。
 下院は同日、日米欧からの新たな制裁を防ぐため、一部のロシア企業の取引情報を原則非公表とする法案も可決。情報を拡散したメディアや市民には罰金を科すと定めている。
 5日に可決された別の法案では、軍事作戦に参加した民間人や医師らを退役軍人として扱うことを規定した。国は住宅購入や家賃を補助し、必要に応じて義眼や義足を提供する。ペスコフ大統領報道官はこれまで「総動員は考えていない」としてきたが、好待遇を提示することで前線の兵力を補充する構えとみられる。
 英字紙「モスクワ・タイムズ」によると、一部の国営企業では従業員に対し、軍事作戦の契約兵となるよう勧めている。地方では、契約兵に平均月給の5倍以上となる20万ルーブル(約43万円)の報酬を約束する例もみられる。
 ロシア軍が攻勢を強める東部では、親ロ派武装勢力「ルガンスク人民共和国」が「領土」とするルガンスク州を越えて戦闘を続けるなど、地上戦は西に拡大している。ロシア側はドネツク州の全面掌握を目指して6日も進軍する一方、同日から7日にかけて南部オデッサ州と東部ハリコフ州をミサイルで攻撃した。

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