参院選茨城 戦い終えて(上) 無所属・堂込麻紀子 2議席目死守も「惨敗」

2022年7月13日 07時59分

堂込麻紀子(左)の演説会で、各産別の出席者を鼓舞する連合茨城会長の内山裕(左から2人目)。右には立民、国民両県連幹部が並んだ=6月29日、水戸市で

 「三年前は国民民主党からも連合茨城からも推薦なしで二十三万七千票。堂込(どうごみ)さんには四十万票は取ってもらわないと」。参院選期間中、立憲民主党県連幹部が皮肉交じりに言った。
 二〇一九年の茨城選挙区(改選数二)では、立民公認の小沼巧が実質的に立民と国民の「統一候補」だったものの、擁立に至る経緯から国民や連合の推薦は得られなかった。それでも次点の二倍近い得票で二位当選。今回は、連合が立てた無所属新人の堂込麻紀子を立民と国民で推薦する態勢ができたのだから、それ以上の票が出なければおかしいというわけだ。
 堂込は、旧民主党・民進党のベテランで農相や参院副議長を歴任した郡司彰(昨年十一月に引退表明)の後継として立候補。だが、当初は立民と国民の両県連がそれぞれ独自候補を擁立すべく公募に着手し、一本化は難航も予想された。
 今年四月下旬、一転して連合茨城執行委員の堂込を両党で推すことに決定。だが、突然降って湧いた話に、立民県連にはハレーションが起きた。堂込は流通業などの産業別労働組合「UAゼンセン」出身。国民に二人の参院議員を出している産別で、堂込も明らかに「国民系」だったからだ。
 折しも、国民は政府の当初予算案に賛成。野党としては異例の行動だ。立民の国会・地方議員や支持層に重視する人が多い「日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働反対」を、堂込が明確に打ち出すことも期待薄だった。県連の常任幹事会は紛糾したが、最後は代表の青山大人(やまと)が押し切った。
 日本維新の会の躍進も予想される中、旧民主系が割れれば「二議席目」を奪われかねない−。選挙戦中に県内入りした立民政調会長の小川淳也は、本紙の取材に「議席は死守してもらわないと日本の民主主義が揺らぐ」と共闘の意義を訴えた。
 堂込の出馬表明から間もなく、「国民民主党」と大書きされた党代表玉木雄一郎と堂込の二連ポスターが一斉に全県に張り出された。立民のベテラン秘書は「政治の世界でこれはだめ。泉(健太立民代表)さんを加えた三連ポスターにするべきだ」と苦言。堂込の推薦に最後まで異を唱えた地方議員は「国民の公認候補かと思った」と嫌味を口にした。
 六月二十二日の公示後、報道各社などの情勢調査で堂込の出足の悪さが見えてくると、危機感を抱いた陣営は労組票固めを選挙運動の中心に据える。
 六月二十九日に水戸市内の講堂で開かれた演説会。連合茨城会長の内山裕(ゆたか)は「連合茨城を構成するそれぞれの組織力も問われる」と傘下の産別を引き締めた。連合茨城の組織票は約十三万五千票とされる。各産別には、組合員に投票済証明書を提示してもらい、投票を確認するよう徹底。陣営幹部は「それくらいしないと、無名の新人は勝てない」と強調した。
 三十日、来県した国民代表の玉木が「冬までに原発再稼働」と発言し、立民関係者をのけぞらせた。「内向き」の選挙運動に加え、政策面での立民支持層の不信。さらには立民自身の不人気(県内比例票は昨年衆院選の二十五万票弱から十二万票弱に半減)も響いた。選挙戦を終えた陣営幹部は「組織内の九割はまとめきれた」と手応えを示しつつ、「浮動票はあまり取れなかった」と率直に認めた。
 堂込の得票は、三年前の小沼を下回る十九万七千二百九十二票。二位当選者の得票が二十万票を切ったのは、一九五九年以来六十三年ぶりだった。当時の当日有権者数が今回のほぼ半分であることを考えれば、議席を得たとはいえ、立民、国民両党にとって課題を残す結果だったと言わざるを得ない。
 堂込氏を支援した無所属の衆院議員福島伸享(のぶゆき)(茨城1区)は嘆いた。「これまでの茨城の政治史にない惨敗と捉えなければならない」(保坂千裕) =敬称略
 ◇ ◇
 参院選茨城選挙区は今回も、自民党と旧民主党系が二つの「指定席」を分け合う結果に。ただ、旧民主系の得票が伸び悩む一方、日本維新の会が一定の支持を広げるなど、変化も見られた。三回に分けて振り返る。

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