首里城7棟焼失 「大事な存在が」住民涙

2019年10月31日 16時00分

激しく延焼し、崩れ落ちた首里城正殿(中央)=午前5時12分(ドローンから)

 沖縄県民にとってかけがえのない存在である世界遺産・首里城の正殿などが三十一日全焼した。「大変なこと」「あって当たり前だった」。火の粉を散らして煙を上げ、すすの臭いを漂わせる姿に、付近の住民はぼうぜんと立ちすくむしかなかった。 
 近くに住む大学院生の坂元蘭さん(24)は、「サイレンの音で気付いて眺めていたら、三十分後に突然煙が上がって、大変なことだと思った」と振り返る。
 様子を見に来た会社員の女性(50)は「午前二時半ごろサイレンの数の多さに気付いた。首里城は絶景で、あって当たり前のものだったので、あまりに衝撃が大き過ぎて、涙が止まらない」とうつむいた。
 サイレンの音で起きたという金城珍源さん(68)は「『避難してください』と呼び掛けがあったので出てきた。沖縄の人にとって大事なものなので、こういうことになって悲しい」と嘆いた。
 首里城の改修工事を請け負っていたという漆職人の諸見由則さん(59)は「十数年かけて外壁などに漆を塗り終わったと思ったら、全部焼けてしまった。また一からやり直しだ」と肩を落とした。
 首里城から約二キロの距離に住む那覇市の公務員女性(47)は、午前四時ごろに防災無線でたたき起こされた。ベランダから見ると、空が真っ赤になっていたという。「火の粉はここまで飛んできていないが、近くの人は大丈夫だろうか」と不安そうに話した。

炎上する首里城を見つめる市民ら=午前6時8分

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