最大雨量マップ公表33% 市区町村 新基準で改定進まず

2019年10月31日 02時00分
 想定される最大の雨量に合わせた洪水ハザードマップを公表している市区町村が、水防法による義務付け対象自治体の33%(三月末時点)にとどまることが三十日、国土交通省の集計で分かった。最大の雨量は「千年に一度レベル」とされ、二〇一五年の同法改正で「数十年から百年に一度レベル」の旧基準に代わるマップ作成基準になった。大規模水害が多発する中、速やかな改定が求められる。
 台風19号では、過去最大の二十四時間降水量を観測した地点が百三カ所に上った。関西大の山崎栄一教授(災害法制)は「過去の災害のデータや経験は通用しなくなっている。自治体がマップ作成を進め、住民にリスクを自覚してもらうことが急務だ」と訴えている。
 国交省によると、浸水が見込まれる区域がありマップ公表が義務付けられた市区町村は全国千三百四十七。うち旧基準では千三百二十三市区町村(98%)が公表済みで、現行基準に合わせて公表済みなのは四百四十七市区町村(33%)だった。
 改正水防法では、まず国と都道府県がそれぞれの管理河川流域で浸水想定区域や水深を予測し、これを基に市区町村が避難所の位置や避難経路などを盛り込んだマップを作成、公表するよう定めている。
 市区町村からは、都道府県の予測作業に時間がかかっていることがマップ作成の遅れにつながっているとの指摘がある。国の予測作業は全て完了している。
 国交省は昨年の西日本豪雨を受け、全国の自治体に最大想定の新基準に対応するよう要請し、台風19号後の今月二十一日にも早期の改定を促す通知を出した。だが都道府県も市区町村も、財政難や人手不足から思うように作業が進められないのが現状だ。

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