幼児の車内置き去りは虐待 千葉県警がパチンコ店などで注意喚起 八千代で昨夏に1歳児死亡

2022年7月15日 07時28分

パチンコ台に注意喚起グッズを取り付ける警察官=千葉市中央区で

 例年より早く梅雨が明け、今夏も厳しい暑さが予想される中、千葉県警少年課が乗用車内に幼児が取り残され、熱中症になる事故を防ごうと注意喚起に力を入れている。県内のパチンコ店で組織する県遊技業協同組合などに駐車場の巡回を依頼。昨夏には八千代市で女児=当時(1つ)=が車内で熱中症とみられる症状で死亡したケースもあり、同課担当者は「幼児を短時間でも車内で一人にさせないで」と呼びかける。(鈴木みのり)
 八千代市の事件は昨年七月下旬に発生。次女を自宅マンション駐車場に止めた軽乗用車内に置き去りにして死亡させたとして、保護責任者遺棄の疑いで母親が逮捕された。
 母親によると、次女を車内で一人にした時間は約二十〜三十分。千葉地検は今年一月、「エアコンの不具合があった」などとして不起訴とした。
 同課は、一〜六月、パチンコ店や病院の駐車場などで、車内での幼児置き去りをすでに十件(前年同期比二件減)確認。同月末に関東地方で観測史上最速の梅雨明けが発表され、県内各地で猛暑日が多くなっており、車内で熱中症になる危険性が高まっている。
 日本自動車連盟(JAF)が二〇一二年に行った実験では、気温三五度の炎天下に停車した車内では、窓を締め切った状態でエンジンを停止した後、十五分で身体にとって危険な状態に達した。
 小児救急に詳しい佐久総合病院佐久医療センター(長野県佐久市)の坂本昌彦小児科医長は「誰でも車内に幼児を置き去りにしてしまう可能性がある」と指摘する。買い物などのために意図的に子どもを車内に残すケースのほか、親がストレスを抱えて考え事に没頭し、後部座席の子どもの存在を忘れてしまったり、車庫内の車に子どもが自ら入り込んで出られなくなったりすることもあるという。
 坂本医長は対策として、後部座席に財布などの貴重品を置いて車を離れる際に子どもの存在を思い出せるようにすることや、車庫の入り口を施錠することなどを挙げた。「自分には関係のないことと思わずに、対策をしてほしい」と語る。

県警が作成した注意喚起グッズ

 猛暑の中で車内の幼児置き去りを防ごうと、県警少年課は六月三十日、初の取り組みとして県遊技業協同組合や県警備業協会などに協力を依頼する文書を交付。「車内放置は児童虐待です」と書かれたカード千枚を各団体に配布し、パチンコ店やスーパーなどに貼ってもらうという。
 同課の金沢哲也児童虐待対策官は「短時間でも、車内では早く温度が上がる。多くの人に車内置き去りの危険性を知ってほしい」と話した。

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