迫る冬 家直せるか 千葉南部の住民悲鳴 修繕業者手が回らず

2019年10月30日 02時00分

台風と大雨に立て続けに見舞われ、屋根にブルーシートが張られたままの住宅も多い=29日、千葉県鋸南町で

 千葉県は二十九日、県内全域で雨となった。台風15号と19号、二十五日の大雨により各地で大きな被害に見舞われ、特に県南部では台風で家の屋根が損傷した上に、大雨で雨漏りと浸水に苦しめられた人も。住民からは「どうしてこうも立て続けに被害を受けるのか」と悲鳴が上がる。
 二十九日、館山市安東の農業須藤文一郎さん(77)宅の屋根のブルーシートが雨に打たれ、「パチパチ」と甲高い音を響かせた。
 二十五日の大雨では、物置と作業場が三十センチほど水に漬かり、基礎の高い母屋もあと数センチで浸水するところだった。須藤さんは「滝つぼの中にいるようで、自宅前の田畑は境界が分からないくらいに水があふれ、一面が湖のようだった。六十年以上は住んでいるが、こんなことは初めて」と振り返る。
 九月の台風15号では母屋や物置の瓦、作業場の屋根のスレート板が何枚も飛ばされた。応急処置で張ったブルーシートも、今月十二日の19号で飛ばされたり、めくれたりした。シートを張り直し、ようやく落ち着いたと思ったところに、大雨。「修繕費も賄えない」と声を落とした。
 15号で多くの住宅が損壊した鋸南町岩井袋地区では、無職男性(74)がしとしと降る雨を見上げながら、「冬になると、この辺りは西から強い風が吹く。ブルーシートがいつまで持つか」と心配そう。
 母親(98)と二人暮らしで、15号で屋根瓦が飛ばされ、ボランティアにブルーシートを張ってもらった。自衛隊が張り直してくれたおかげで19号では少しめくれる程度で済んだ。二十五日の大雨でも幸い雨漏りはなかったが、天井のかびは消えない。修繕しようにも業者はどこも手いっぱい。「町は何もしてくれない」とやりきれなさが募る。 (山口登史、山田雄一郎)

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