地元9区議に贈り物か 辞任の菅原氏

2019年10月26日 02時00分

辞任を発表した記者会見を終えた菅原経産相(右から2人目)=25日午前、国会で

 経済産業相を辞任した菅原一秀衆院議員(東京9区)が二〇〇六、〇七年に選挙区内の有権者へメロンなどを贈った疑いが持たれている問題で、本紙は贈り先のリストとされる文書を入手した。リストには、菅原氏の地元、東京都練馬区の区議と同一の名前も複数掲載されている。菅原氏の元秘書は本紙の取材に贈り先リストを作成した事を認めた。専門家は「公職選挙法をよく知る国会議員と地方議員の間で品物のやりとりがあったとしたら、深刻な問題だ」と指摘する。(松尾博史、渡辺聖子、柏崎智子、小倉貞俊、望月衣塑子)
 リストには、贈り先の名前、住所と、二年間の夏と冬に贈った品が記載されている。夏はカニ、メロン、冬はミカン、タラコ、スジコが多い。
 選挙区内の住所の贈り先を確認すると、九人の名前と住所が、現職の練馬区議と一致した。七人が自民党、二人が公明党。取材に応じた自民区議の一人は「もらったか記憶にない。夏や暮れにはあちこちからいっぱい届くので、よく分からない」と話した。
 別の自民区議は「記憶にないが、家内から『来てます』と聞いた可能性はある。誰からでも、贈られたものを送り返すことは、ちょっとできない。よくないことなので、自分から贈ったことはない」と話した。
 この区議は、菅原氏の選挙支援を中心的に行っていた時期もあった。「彼に、『こういう(物を贈る)ことはもう無理だよ。そんなことより本業の政治活動に力を入れろ』とアドバイスしたことはある」という。
 公職選挙法に詳しい上脇博之(ひろし)神戸学院大法学部教授は「一般の有権者と違い、区議は物品のやりとりが公職選挙法で許されないことを、分かっているはず。受け取ったのが事実なら、説明するべきだ」と批判。「菅原氏のほかにも同じようなことをしている議員がもっといると思われても仕方がない」と指摘している。

◆受領の国会議員「高級、度を越えてた」

 菅原氏の事務所が中元や歳暮などを贈った先のリストには、複数の国会議員の名前もあった。
 カニや果物などを贈られたというある衆院議員の事務所の担当者は「議員間の贈答は通常のことだが、選挙区内の有権者でないかどうかは、法に触れないよう細心の注意を払うものだ」と驚く。
 別の衆院議員も、菅原事務所から今も贈答品を受け取っていると認め、「菅原さんはある意味非常に面倒見が良い人。しかし、批判を浴びている最中に有権者に香典を秘書が渡していたというのは、ちょっと信じ難い。それだけ恒常的に行われていたということなのだろう」と指摘。さらに「盆暮れの贈答品の議員間でのやりとりは、年越しそばなど、せいぜい三千~五千円程度だが、菅原さんはカニやメロン、シャインマスカットなど一万円はかかるような高級なものばかり。正直、度を越えてる、過剰ではないかとは思っていた」と話した。

◆練馬の男性有権者 面識ないのに故人への供花

 菅原経産相が、有権者に香典を渡していたとの疑惑を認め辞表を提出した。これとは別に、選挙区の東京・練馬の男性有権者は二十五日までの共同通信の取材に今年三月、父親が亡くなって数日後、菅原氏名義で花束が届いたと証言。「他にも送られた人がいるのではないか。公選法違反ではないかと驚いた」と話した。
 男性有権者によると、花束は三月下旬、自宅に送られてきた。父親の葬儀前で、「菅原一秀」と書かれた紙が添えられていた。菅原氏側は明示していなかったが故人に供える花だったとみられる。
 男性と父は菅原氏の選挙応援に積極的に関わったことはなく、面識もなかったとしている。

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