川崎・浸水被害 水門閉鎖に12時間 通常なら1分、川の逆流防げず

2019年10月24日 02時00分

閉門作業に約12時間かかった排水管のゲート=川崎市提供

 台風19号で川崎市中原区のJR武蔵小杉駅周辺で発生した大規模な浸水被害について、市は二十三日、多摩川に雨水を流す排水管のゲートが十二日夜から約十二時間にわたって閉まらなかったと明らかにした。通常なら約一分で閉まるはずで、川の水が逆流して被害が拡大した可能性があり、市は原因を検証する。 (大平樹)
 市内では中原区、高津区、多摩区で計約九十二ヘクタールが浸水したことも分かった。
 市によると、排水管は市街地の降雨が一定量を超えた場合に、生活排水と合わせて多摩川に流すために使われる。ゲートは川の水位が三・四九メートルを超えた際に閉める手順となっているが、降雨があったり今後予想される場合は排水ができなくなるため閉めない。
 台風19号では多摩川の水位は十二日午前に三・四九メートルを超えたが、雨が降り続いていたためゲートを閉めなかった。水位は上がり続け、市は午後三時四十五分ごろ、区内でマンホールから水が逆流しているのを確認。川の水位は午後十時半ごろ、観測史上最高の一〇・八一メートルに達した。
 その後、雨が落ち着いてきたため、市は午後十時五十分ごろからゲートの閉門作業を始めたが、途中で止まるなどし、完全に閉まったのは十三日午前十時五十分ごろだった。その間、川の水位は付近の土地より高い状態となり、逆流が続いたとみられる。
 ゲートは幅約三メートル、高さ約二・四メートルの金属製。閉める際は職員がレバーを操作し、本来は約一分で閉まる。五月に点検した際は正常に動いたという。市は水圧の影響や、漂流物が挟まった可能性もあるとみているが、当時は泥水で水面下が見えない状態だった。
 市上下水道局の担当者は「当時は大雨警報も出ていた。ゲートを閉じれば(市街地に)雨水をためることになっていた」と述べ、当時の判断は妥当だと主張した。
 市は今後、浸水したメカニズムやゲート操作の検証を進め、住民説明会なども行うとしている。

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