校庭、分割せず子どものために 世田谷区に住民訴え 旧池尻中の跡地活用

2022年7月23日 07時14分

芝生がある池尻小の校庭。現在は、第二体育館(奥)まで広く使っているが、現行の計画案では一部が分割される=世田谷区で

 旧世田谷区立池尻中学校(池尻二)の校舎を舞台に、民間企業が廃校再生を目指した「世田谷ものづくり学校」が五月に閉鎖され、校舎や校庭の今後の活用を巡って住民と区の意見が割れている。昔から校庭は隣接する区立池尻小の児童らが利用してきた。区の計画では旧池尻中の校舎や校庭などを一体的に活用するため民間に貸すという。住民は校庭分割の見直しを求めている。(山下葉月)
 ものづくり学校は二〇〇四年十月、廃校になった池尻中校舎に、デザインとものづくりの拠点として開校。株式会社ものづくり学校が借りて、創業間もないクリエーターらにオフィス提供をしてきたが、区内での開業が少なく、校舎耐震化も必要となり閉鎖された。
 もともと池尻小の児童は旧池尻中の廃校前から両校合わせて計八千二百平方メートルを校庭として使ってきた。
 一方、区は昨年二月、ものづくり学校の廃校に向け跡地利用コンセプトを策定。創業支援に、区内の既存産業も支援する複合機能を加えた施設にするため校舎や校庭、体育館を民間に貸し出す方針だ。キッチンカー事業や高齢者支援機器の事業などの支援も想定。区担当者は「テストマーケティングや機械の実験など一定の場は必要」とする。
 同六月、住民説明会を行ったが、同小PTA側には校庭が狭くなることや教育環境の変化に不安が広がった。今年二月に区議会に出した陳情書では、校庭は児童やスポーツ団体の「共有財産」と指摘。先月、PTAが行った保護者アンケートでも三分の二が計画に反対した。関係者は「子どもたちが思い切り体を動かせなくなる」と話す。
 要望を受け、区は池尻小が使える校庭を四千八百平方メートルから五千七百平方メートルに広くしたが、これ以上の変更はなく、運営者は募集中だ。保坂展人区長は「双方の思いが達成できるよう話し合いは続ける。現状の区切りを前提に使い方を工夫したい」としている。

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