家全壊「落雷かと」 市原突風、爪痕500メートル

2019年10月13日 02時00分
 猛烈な風雨の台風19号が三連休初日の十二日、厳戒態勢の首都圏を直撃した。台風15号で甚大な被害を受けた千葉県では、市原市で突風により車がひっくり返り男性が死亡。神奈川県などでは河川の氾濫や土砂崩れも起き、各地で住民や住宅への被害が相次いだ。自治体は避難指示などを出し、住民らは自宅や避難所で不安な夜を過ごした。
 瞬く間に住宅の屋根や壁が吹き飛ばされ、何台もの車が横転、のどかな集落が一変した。台風19号が迫った十二日午前八時すぎ、千葉県市原市永吉地区を襲った竜巻とみられる突風。被害は直線状の約五百メートルにわたり、子どもを含む九人が死傷した。近くの住民は倒壊直後の家屋を目の当たりにし「解体作業のように見えた」と語った。
 「ゴーッという大きな音がしたので窓を見たら、空が真っ暗になっていた」。永吉地区の宍倉としこさん(78)はこう振り返った。宍倉さんが家の外に出ると、いくつもの家がめちゃくちゃに壊れ、トタンなどのがれきが散らばっていた。
 倒壊した家には、宍倉さんの知人の高齢女性とその孫らが取り残された。消防隊が柱などを切って助け出したという。
 別の七十代の女性は、親族の住む木造二階建ての家屋がつぶれているのを目撃。「解体作業をしたように見えた」。自宅の屋根に積んだ土のうは飛ばされ「台風の準備は進めていたが、予告もなく来る災害もあると知った」と話した。
 現場近くに住む住職山本隆真さん(61)はヘリコプターが低空で飛ぶような「バリバリバリ」というごう音がしたと証言。自宅の雨戸を閉めていたが音は一分半ほど続き、建物も揺れたという。
 自営業時田昌二さん(81)も「自宅で妻と朝食中、ダダダンと大きな音がした。ものすごい雷が落ちたと思った」と驚いた様子。その後テレビで被害を知り「あれは屋根が吹き飛ばされ、建物が壊れる音だったのかもしれない」と声を震わせた。
 市原市によると、十二棟が全壊するなど住宅八十棟以上に被害が出た。
 近くの運動広場では高さ約十五メートルのポールが何本もネットごと倒れ、サッカーのゴールポストは約三十メートル先の畑まで飛ばされた。農業用ハウスは電柱に絡み付き、垂れ下がった電線に引っ掛かったトタンが強風にはためいた。

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