また台風 「どうなるの…」 今も雨漏り、復旧途上の千葉 おびえる住民たち

2019年10月12日 11時26分

ガラスにテープを貼る旅館「清都」の従業員の男性=11日、千葉県南房総市で

 大型で非常に強い台風19号が接近し、九月の台風15号の爪痕が残る千葉県の被災地では、家屋損壊などの被害が拡大する危険が高まっている。復旧作業の途上にある被災住民からは「どうなってしまうのか…」と不安の声が上がる。(太田理英子、山口登史、丸山将吾)
 太平洋越しに伊豆大島を見渡せる南房総市白浜町滝口。旅館「清都」を営む清都みちるさん(58)は十一日、従業員と一緒に、窓ガラスが割れないようにテープを貼って補強していた。途中でテープがなくなり「近くのホームセンターは売り切れだった。なんとかしないと…」と表情を曇らせた。
 木造二階建ての旅館兼住宅は、15号で屋根の半分近くが吹き飛ばされた。天井や床板は度重なる雨でふやけてぶよぶよになり、営業再開のめどは立たない。屋根の補修業者がやっと見つかり、九日に工事が始まったばかりだった。「また被害がでたら、今度こそ立ち直れなくなる」
 鋸南町の山間部では、土砂崩れが手付かずのままになっている場所も多い。同町小保田の山腹は、15号の風雨で小川に土砂が流入して氾濫し、県道につながる道路に水があふれた。道路沿いの自宅が一時孤立した会社員三瓶貴子さんは「断水も起きて、川で皿洗いや洗濯をし、小学生の子ども二人は体も洗いました」と振り返る。
 小川には土砂や倒木が堆積し、雨が降っていなくても水が道路に流れる。「今度の台風の大雨で氾濫したら、うちがまた孤立するのは確実。あの不便な生活に戻ると思うと怖い」
 強風でゴルフ練習場の鉄柱が倒壊した市原市五井の住宅街では、今も十数軒の民家を鉄柱が押しつぶしたまま。会社員松山高宏さん(55)宅は、屋根に開いた四カ所の穴から雨漏りが続く。

台風19号の影響で強風にあおられる家屋の屋根に覆われているブルーシート=12日午前、千葉県館山市で

 撤去工事の開始は約二週間先。強風が吹けば、どこからがれきの破片が飛んでくるか分からない。松山さんは家中の窓ガラスにテープを貼ったが、鉄柱の重みで日に日にゆがみ始めている屋根が気掛かりだ。
 「強風でこの鉄柱がどう動いてしまうのか。高潮で水害まで起きたら、もうどうしようもない」。ペットの世話でずっとこの家で寝泊まりしていたが、十二日午後、市が被災者用に用意した住宅に家族で身を寄せるつもりだ。

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