旧統一教会と自民党国会議員、接点次々と明らかに…関係を断てないワケとは

2022年7月29日 06時00分
 安倍晋三元首相銃撃事件で注目が集まる宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と、自民党国会議員の接点が次々と明らかになっている。現職閣僚も選挙の支援を受けたり、教団関係者にパーティー券を購入してもらったりだ。野党は、旧統一教会と政治との関わりや霊感商法の実態調査に乗り出した。ここが関係を断ち切るチャンスにも思えるが、自民の腰は重い。これだけつながりが多いと政策はゆがまないのか。関係を断てないわけとは。(特別報道部・宮畑譲、山田祐一郎)

◆「派閥の長」が組織票の割り振り示唆

二之湯智国家公安委員長

 自民党の青山繁晴参院議員が18日、ブログで「自由民主党の立候補者と(旧)統一教会の関係をめぐって、わたしが参院選の前に行動したこと」と題し、文章を書き込んだ。
 ある「派閥の長」が青山氏に対し、「各業界団体の票だけでは足りない議員については、旧統一教会が認めてくれれば、その票を割り振ることがある」と話したというのだ。さらに、旧統一教会の支援を受けていることを明らかにしないのは問題だと指摘すると、「業界団体の票だけでは届かない議員は、別の手段も考える。選挙が意外に弱い候補者が多いからね」と言い放ったという。

末松信介文科相

 青山氏は旧統一教会との関係を「見直すべきです」と進言したが、派閥の長は具体的に答えなかった。「(派閥の長は)やむを得ないとは、最後までおっしゃいませんでしたが、そういう趣旨だと考えます」と推測した。
 ブログの内容が事実であれば、旧統一教会が自民党の候補者に組織票を配分していたことにもなる。
 あらためて青山氏に話を聞こうと事務所に問い合わせたが、「ブログに書き込んだことが全て。その件については取材を断っている」と答えた。しかし、青山氏はブログの投稿直後は、複数の民放テレビのインタビューを受けている。断るようになった理由について、党内で圧力があったのではないか。事務所の担当者は「本人から聞いていないので分からない」という。

◆岸防衛相「ボランティアとしてお力を頂いた」

岸信夫防衛相

 いずれにしても、銃撃事件後、自民党議員と旧統一教会との接点が次々と明らかになっている。中には現役閣僚も含まれる。
 安倍氏の実弟の岸信夫防衛相は、教団所属の人物から選挙の手伝いを受けたと認め、「ボランティアとしてお力を頂いた。(投票を呼び掛ける)電話作戦などはあったと思う」と話した。二之湯智・国家公安委員長も関連団体のイベントの実行委員長を務めた。末松信介文部科学相は教団関係者にパーティー券を購入してもらったことを認めた。
 工藤彰三衆院議員(愛知4区)は関連団体から選挙の応援を受けてきたことを認めたが、「破壊的なカルトや反社(反社会勢力)と認定されている団体なら付き合わないが、決してそういうわけではない」と述べ、今後も付き合いを続ける意向を示した。
 さらに、第1次安倍政権で政務秘書官を務め、10日の参院選の比例代表で当選した井上義行氏は、教団の「賛同会員」だ。事務所によると、教団の信条と掲げる政策が一致したことを理由に挙げる。ただ、会費や寄付は互いになく、選挙での動員もないという。
 野党もわずかだが、関係が明らかになった。立憲民主党の複数議員も教団や関連団体が開いた会合に祝電を送り、国民民主党の玉木雄一郎代表は、教団と関係が深いとされる会社の元社長から寄付を受けていた。
 なぜ教団は政治家と接点を持とうとするのか。旧統一教会に取材すると、広報担当者は「宗教法人として特定の候補者に組織的に関与したり、応援したりすることはない。友好団体との関係は当該団体に問い合わせてほしい」と答えた。
▶次ページ「使えるから」調査に腰重くに続く
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