消費増税、やはり混乱 「8%」なのに「10%」◆ポイント還元間に合わず

2019年10月2日 02時00分
 消費税率が一日、8%から10%へと引き上げられた。首都圏各地では初日から複雑な仕組みをめぐる混乱やシステム障害などが発生。準備の遅れも目立ち、消費者側からも店側からも困惑の声が上がった。
 一日未明、コンビニで夜食のおにぎりを買って帰った東京都中央区の男性会社員(57)はレシート=写真(一部画像処理)=を見て首をひねった。持ち帰りの食品は軽減税率の対象になり8%のはずが、レシートにはイートイン(店内飲食)に適用される「10%」の表記が。本紙がこのコンビニチェーンに取材すると「タッチパネル式のレジに、イートインの10%を選択するボタンが表示される。誤って押してしまったのでは」と回答。その店はイートインコーナーがなく、男性は「店員が外国人だったので、勘違いしたのか。同様のミスはほかでも起きているはずだ」と危ぶむ。
 一方、イートインコーナーがある同区の別のコンビニでは、店内飲食でも10%にはしていない。レジ担当の男性店員(45)は「もともと店長がいなくて指導も受けていない。正直よくわからないし…」と小声で明かす。
 前橋市の前橋中央通り商店街にある衣料化粧品販売「鈴木ストア」は、八月末からクレジットカード会社二社とスマホ決済サービス一社のポイント還元制度の申請を進めていたが、この日までに一社しか登録が終わらなかった。大橋慶人社長(60)は「ポイント還元を知らせるポスターは手元にあるが、利用できないお客さまを考えると店先に貼れない。国が進める制度なのに開始日に間に合わないのはおかしい」と語気を強めた。
 都内有数の規模を誇る戸越銀座商店街(品川区)の「和食処やまなみ」では、社長の南山伸二さん(59)が「レジの税率10%への設定変更が間に合わなかった」と頭を抱える。レジメーカーに設定変更を依頼したのは八月だったが、担当者の予定がぎっしり。あと二週間は8%で対応せざるを得ないといい「変更まで、2%の差額分は自腹になっちゃいますね」。
 システム障害も続出した。コンビニ大手ミニストップや回転ずしチェーンのスシローでは、一部店舗で間違った税率で販売するなどのトラブルがあった。京成電鉄(千葉県市川市)では四駅で、精算機の設定が旧運賃のままだった。路線バスを運行する神奈川中央交通(神奈川県平塚市)と西武バス(埼玉県所沢市)の一部路線で九月下旬、増税後の運賃設定で料金を誤徴収していたことも判明した。
 さいたま市の会社員江上正さん(54)は、増税に便乗するような政府主導のキャッシュレス化に懐疑的だ。「自分の個人情報が知らないうちに悪用されたり、情報漏えいしたりしないか心配。ポイント還元より安心のほうが大事」と話し、ビールと日本酒を現金で買っていた。

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