線虫が探る、がん発見法 都内企業が実用化へ

2019年10月2日 02時00分

がん患者の尿に反応する線虫=HIROTSUバイオサイエンス提供

 東京のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」は一日、体長約一ミリの線虫に人の尿のにおいを嗅がせ、がんの有無を発見する検査法を二〇二〇年から実用化すると発表した。検査費用は九千八百円で、がん患者約千四百人の検体を使った最新の臨床研究では、約85%の確率で特定したという。早期のがん発見にも効果があるとしている。
 検査の名称は「N-NOSE」。犬並みの嗅覚で、がん患者特有の尿のにおいに寄りつき、健康な人の尿からは逃げる線虫の性質を利用した。線虫は土壌に生息する微小生物で、簡単に増殖ができ、検査に必要なのは尿一滴程度としている。
 これまでに十五種類のがんに反応することが確認されたが、現時点でがんの部位までは特定できないという。当面は企業などの健診に組み入れることを中心に、初年度は二十五万検体の利用を見込む。二一年には海外展開も目指すという。部位を特定するために、遺伝子組み換え線虫を用いた「がん種特定検査」の二二年の実用化も目指している。
 年内に最終的な運用試験を実施する予定で、生命科学の産業振興に取り組む福岡県の久留米、小郡両市が職員の受診などで協力する。
 久留米市役所で一日、記者会見した同社の広津崇亮社長(47)は「検査の受診率を上げるには、画期的な技術が必要だ。ローリスクで他の検査より精度が高い」と強調した。同席した久留米市の大久保勉市長も「がんの早期発見は極めて重要だ。実用化へ向け、支援したい」と述べた。

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