首都圏で対応バラバラの「BA.5対策強化宣言」 神奈川は発出も...東京は「今さら後手」と慎重論

2022年8月3日 06時00分
BA.5対策強化宣言を出す黒岩祐治知事=神奈川県庁で

BA.5対策強化宣言を出す黒岩祐治知事=神奈川県庁で

 新型コロナウイルスのオミクロン株の亜型「BA.5」による第7波を乗り切るため、政府が創設した「BA.5対策強化宣言」を巡り、首都圏の自治体で対応が割れている。法的強制力や予算措置もないが、医療が逼迫ひっぱくする神奈川県は「宣言」という名のアナウンス効果に期待し、2日に発出。一方、東京都は宣言に慎重で、後手に回った政府の対策に冷ややかな目を向ける。(佐藤航、加藤健太、志村彰太)
 「外でマスクをしているのに、飲食の場では外す逆転現象が起きている。感染防止の基本を徹底してほしい」。神奈川県の黒岩祐治知事は2日、そう語った。
 宣言は、コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」のように、飲食店の時短営業などの罰則を伴う行動制限はない。あくまで住民や事業者への「協力要請」にとどまり、感染防止効果は未知数だ。
 それでも、神奈川県が発出したのは、コロナ病床は満床に近く、軽症・中等症用の使用率は1日時点で92%に達し、医療体制の逼迫が続くためだ。しかし、経済活動との両立を図る観点から、高齢者らにも外出自粛の要請はせず、基本的な対策の徹底の呼びかけにとどまる。黒岩知事は「行動制限をお願いしても納得は得られない。行政への不信感が増すだけ」と強調。宣言の期間は8月末までで「(注意喚起を強める)アナウンスメント効果に期待している」と話した。
 そもそも、今回の宣言の新設は政府の第7波対策のほころびが浮き彫りとなった形だ。全国の1日の新規感染者数は7月末に23万人に達し、2月の第6波のピーク時の2倍を超えた。ただ、日々の重症者数は第6波よりもかなり少ないことから、政府は行動制限の導入を回避し続けた。
 しかし、急速な感染拡大で、医療やインフラ関連従事者の感染や濃厚接触が増え、社会活動が停滞。政府は、都道府県の要望を受け、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の代わりに、BA.5宣言を新設した。
 山際大志郎経済再生担当相は7月29日の会見で「法律の枠を超えて、何か新たに決めたことではない。知事の工夫でやろうと思ったらできる対策を並べた」と新味のなさを認めた。
 こうした中、東京都の小池百合子知事は29日の会見で、宣言に「効果がどれぐらいのものなのか精査し判断をしたい」と慎重な姿勢を見せた。都の病床使用率は2日時点で55%。新規感染者数は2日連続で前週を下回り、第7波がピークを迎えた可能性も。都の幹部は「宣言は2、3週間前なら効果があったかもしれないが、今の局面で行うのは後手だ」と否定的だ。
 埼玉や千葉県は宣言を出すかどうか検討段階という。

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