高齢者の感染増に医療現場は…症状回復後の転院先確保が課題に

2022年8月6日 06時00分
移動に車いすが必要なコロナ患者の対応にあたる病院職員。高齢の患者が増えているという=東京都品川区の昭和大学病院で(同病院提供)

移動に車いすが必要なコロナ患者の対応にあたる病院職員。高齢の患者が増えているという=東京都品川区の昭和大学病院で(同病院提供)

 新型コロナウイルスの流行「第7波」が拡大する中でこれまで感染の中心だった若い世代に代わり高齢の患者が増え、重症化のリスクが高い基礎疾患がある高齢者の病床確保が課題となっている。東京都内の病院で現状を聞いた。(榊原智康)

◆「高齢者多い」重症化に懸念

 3日時点で60人弱のコロナ患者が入院する昭和大学病院(東京都品川区)。患者のうち肺炎症状がある中等症が5人。残りは軽症者だが、いずれも基礎疾患があるという。病院では重症・中等症の患者の治療にあたる。現在は、重症化リスクがある軽症者も中等症向けの病床で受け入れているため、中等症向けの病床は、ほぼ満床状態となっている。
 相良博典院長は「入院患者の年代は中高年、中でも高齢者が多い。介護が必要な患者もいる」と説明する。
 4日の都モニタリング会議によると、都内の新規感染者は20代が約2割と最も多いが、65歳以上の割合も上昇が続き、前週の8・2%から9・3%に増えた。これまでの流行時では新規感染者数に遅れて重症者、死者が増えてくる傾向がある。都内の1週間の重症者は前週比11人増の35人、死者も同18人増の46人と徐々に増えてきている。
 この先の重症者の増加が懸念されるが、受け入れる医療機関の態勢は既にぎりぎりだ。医師や看護師が感染したり、濃厚接触者になったりして就業が制限されるケースは全国的に相次いでいる。

◆病床空けるため「医療機関の連携を」

 昭和大学病院でも7月下旬時点でスタッフ約3000人のうち200人超が欠勤した。コロナ患者への対応は他の診療科から応援をもらうなどし、受け入れ制限には至っていないが、このまま欠勤者が増えれば、他の手術を制限するなどの事態も想定されるという。
 コロナ患者用の病床を増やすことが難しい中、相良院長は「症状が軽くなった患者を別の病院に転院させて病床を空ける対応が重要になる」と指摘する。同病院によると、現状では介護度が高い患者の場合、転院先の受け入れがストップしているところが増えているという。受け入れ側の病院もスタッフの感染などで就労制限の影響が出ており、余裕がなくなっているとみられる。
 相良院長は「医療機関が連携し、症状が軽くなればスムーズに転院させる取り組みをより機能させる必要がある」と訴えている。

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