物がはじけ散る音、子どもたちの泣きわめく声…戦後世代が伝える空襲体験 江東区の施設であすイベント

2022年8月6日 06時54分

空襲体験の伝承のリハーサルをする早川則男さん(左)と小薗崇明さん=江東区の東京大空襲・戦災資料センターで

 空襲体験者の記憶を伝えるイベントが七日、東京都江東区の東京大空襲・戦災資料センターで開かれる。朗読劇では、戦争体験者が少なくなる中、戦後世代の二人が平和への思いをつなぐ。会場席は既に満員となっているが、六日までオンライン配信の申し込みを受け付けている。(三宅千智)
 「避難先の地下室の扉を開けると、死体の山ができていた。全身黒焦げで、みんな重なるようにして死んでいました」。五日、センターであったリハーサル。高校教諭早川則男さん(64)、センター学芸員小薗崇明さん(43)が、女性二人の体験をまとめた台本をスライドを交えて読み進めた。「物がはじけ散る音、子どもたちの泣きわめく声が防空壕(ぼうくうごう)の中にいても聞こえてきて、とても怖かった」
 早川さんは地下室で九死に一生を得た西尾静子さん(83)=東村山市、小薗さんは防空壕に逃げた二瓶治代さん(86)=国立市=の空襲体験を伝える。西尾さんと二瓶さんは、子ども時代に江東区で遭遇した空襲の語り部をしている。
 空襲体験者が高齢化し、実体験を聞く機会が減る中、センターでは昨年度から有志が「継承事業」として、広島や長崎で戦争体験を伝承している人たちに伝え方を学ぶなどしてきた。早川さんは「戦後世代として若い世代に空襲体験をつないでいくきっかけになれば」。リハーサルを見た西尾さんは「生の声をいつまでお伝えできるか分からない。引き継いでいくことはすごく重要だ」と話した。
 イベントは午後二時から。冒頭、センター名誉館長で五月に亡くなった作家早乙女勝元さんの空襲体験を基にした紙芝居「三月十日のやくそく」を上演する。
 イベントはビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で配信する。センターホームページから申し込む。参加費五百円。問い合わせは、同センター=電03(5857)5631=へ。

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