軍事演習続ける中国に動揺みせぬ台湾 「心理戦の効果は未達成」の声も 影響は漁業や物流に 

2022年8月6日 21時12分
軍事演習中の中国艦から撮影された台湾海軍艦=新華社・AP

軍事演習中の中国艦から撮影された台湾海軍艦=新華社・AP

 【北京=新貝憲弘】中国人民解放軍は6日も台湾周辺で大規模な軍事演習を強行し、艦船と軍用機の一部は台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」を越えて台湾側に入った。台湾住民はおおむね冷静に受け止めて日常生活を送る一方、漁業や海運への影響は徐々に拡大。中台間の「心理戦」も激しさを増しつつある。
 台湾の有力紙・中国時報は、中国大陸から目と鼻の先にある金門島きんもんとうの現状を紹介。中国軍がミサイル発射を繰り返した1996年の台湾海峡危機に言及した上で「当時と同じく今回も何も起こっていない」「(軍事力を)見せびらかすためにやっている」と語る島民の声を伝えた。
 台湾紙・自由時報は、軍事演習が始まった4日に中国軍が発射した弾道ミサイル4発が台湾上空を通過したものの、台湾国防部(国防省)が警報を出さなかった経緯について「中国共産党の心理作戦を見抜き、(台湾住民に対して中国側が)期待したほどの恐怖心を抱かせなかった」(軍事専門家)と解説した。
 「政治家のもめ事で迷惑をこうむるのは常に庶民だ」。台湾の中央通信社は、北部の主要港・基隆キールンの漁師が、演習の影響を受けて出漁できない現状を嘆く様子を紹介した。自由時報は専門家の話として、台湾海峡を迂回うかいする船舶が出るなど「海運・貿易の重要航路がマヒしている」と報じた。
 中国軍の軍事演習は7日までの予定。台湾対岸の福建省を管轄する人民解放軍東部戦区は6日、「宝島(台湾)の海岸線や中央山脈を確認した」と語る戦闘機パイロットの様子や訓練内容を動画で公開した。
 一方、台湾国防省は6日、金門島上空で5日夜にドローンの飛来を確認したことを明らかにし、中国軍の演習について「台湾本島の攻撃」が目的であるとの分析結果を発表した。

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