<つなぐ 戦後77年>横浜・英連邦戦死者墓地で礼拝 93歳・関田牧師 最後の追悼の辞「共生へ努力を」

2022年8月7日 07時08分

追悼の辞を読み上げる関田さん=いずれも横浜市保土ケ谷区で

 太平洋戦争で旧日本軍の捕虜になった英国人兵士ら約千八百人が眠る横浜市保土ケ谷区の英連邦戦死者墓地で六日、追悼礼拝が行われた。初回の一九九五年から追悼の辞を読み上げてきた牧師の関田寛雄さん(93)が自身として最後の読み上げに臨み、「日本政府は対立と憎悪を深める流れにくみすることなく、貧困や差別の問題に協力し合う共生の文化を生み出す努力をすべきだ」と語りかけた。(杉戸祐子)
 追悼礼拝は旧日本軍の通訳兵として従軍し、捕虜への過酷な扱いを目の当たりにした故・永瀬隆さんらの呼びかけで始まり、今年で二十八回目。せみ時雨に包まれる中、オーストラリア、カナダなどの在日大使館関係者ら約百九十人が参加し、祈りをささげた。
 高齢などの理由で追悼の辞の読み上げから退く関田さんはロシアによるウクライナ侵攻に触れ、政府に「ただウクライナに新鋭武器を送り込むのでなく、中立的諸外国を介して停戦をもたらす仲介の努力をするべきだ」と求めた。被爆国の立場から核兵器禁止条約への参加を訴え、「そのことがここに眠る勇士たちの祈りと叫びに応えることと信じて疑わない」と述べた。

◆納骨堂に献花も

バグパイプの演奏の中、納骨堂に献花するホームズさん

 ゲストスピーカーとして、元捕虜やその家族らと日本人の和解のために活動する団体「アガペワールド」代表の恵子・ホームズさんもあいさつ。三十四年間の取り組みを紹介し、「過去から学び、未来を向上させていくことができる」と語った。バグパイプの厳かな音色が響く中、十字架や納骨堂への献花も行われた。
 横浜市立東高校二年の小島莉(りん)さん(16)は「戦争は実感がなくて、来てみないと亡くなった人の実際の気持ちはわからない」と、同級生らと参加した。それぞれの墓碑に刻まれた哀悼の言葉を読み、「一人一人に人生があって、その人を大切に思う人たちがいた。亡くなった人も残された人も傷ついた。戦争は悲しいことだと私たちが理解することが大切だと思った」と話した。

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