「加害の歴史に目を」 朝鮮人追悼文なし 都知事に批判

2019年9月2日 02時00分

関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼碑に献花し、手を合わせる人たち=1日午後、東京都墨田区の横網町公園で

 関東大震災から九十六年となった一日、都慰霊堂(東京都墨田区)がある都立横網町公園では、民間団体による朝鮮人犠牲者の追悼式も開かれ、約七百人が参加した。東京五輪を来年に控えた今回も、追悼文を送らなかった小池百合子都知事。日韓関係の悪化に追い打ちをかけるような「負のメッセージ」に、参列者からは批判が相次いだ。
 追悼式は日朝協会都連合会などでつくる実行委員会が主催。宮川泰彦委員長はあいさつで「虐殺を忘れないという式典の意義を、小池知事は理解しようとしていない」と批判した。
 追悼の辞を述べた日本平和委員会の千坂純事務局長は、「謝罪と反省を拒み続けるなら、アジアの人々とわかり合えない。平和の祭典、オリンピックの開催地である東京都知事が政府の姿勢に同調し、追悼式に背を向けることに、アジアと世界の人々は心を痛めている」と訴えた。
 大田区の保育士、永田恵美子さん(64)は毎年訪れていた両親がなくなり、十年ぶりに訪れた。「あの時何が起きていたか知らない人が多い。若い人にも歴史を引き継がないと」と参列。知事の姿勢からは友好も平和も生まれないと感じる。「加害の歴史から目を背けず、歴史に向き合うべきではないでしょうか」と静かに語った。 (山下葉月)

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