増税分のぞく値上げに国が「待った」 川崎市バス、条例も変えたけど…

2019年8月31日 02時00分

消費税増税分のみの値上げが認められることになった川崎市営バス=JR川崎駅前で

 十月の消費税増税に合わせ、川崎市が市営バスの車両更新や運転手確保などの理由も含めて運賃値上げを計画したところ、認可する国から増税分の転嫁だけしか認められなかったことが、関係者への取材で分かった。市は二月に値上げを公表し、関連条例も改正済みだったが、市幹部は「公表当時は国から前向きな感触が得られていたのに」と頭を抱えている。 (大平樹)
 市は今年二月、運賃を現在のICカード二百六円、現金二百十円から、いずれも二百二十円にすると公表したが、増税分のみの値上げとなるため、十月一日からICは二百十円に、現金は据え置きとなる。値上げは二〇一四年四月の消費税増税以来。
 市は一年以上前から国と値上げを協議し、ことし三月には必要な条例も改正。ところが、一八年度の市バス決算が約五億二千万円の純利益と好調だったことなどから、増税分以外は申請を拒まれたという。
 国土交通省によると、路線バスを運営する自治体や民間各社は、増税の転嫁に限った値上げを国に申請しており、九月上旬にも認可される見込み。増税以外の理由も含めた値上げの計画は川崎市だけだった。
 市によると、今後営業所の建て替えや運転手の定年退職増加が見込まれ、二八年度には最大三十億円の資金不足に陥る。市の財政負担が増え、市バス運営に影響が出るおそれがある。市幹部は「値上げしないと今後の経営が厳しいことは明らか。増税以外の理由での値上げを約二十五年間行わず、努力してきたことも評価されなかった」と唇をかんだ。
 ◇ 
 東京都や横浜市もバス、地下鉄の運賃値上げを予定している。都営バスは二十三区内のIC運賃が二百六円から二百十円に、多摩地域が百七十五円から百七十八円に値上げ。現金は据え置く。都営地下鉄もICの初乗り運賃が百七十四円から百七十八円になる。
 横浜市営バスは、一部路線を除き現行二百十六円のIC運賃が二百二十円に。市営地下鉄は初乗り二百六円が二百十円に上がる。

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