EV、青色LEDでよりエコに ノーベル賞・天野さんら開発

2019年10月24日 16時00分

自身が携わった電気自動車の横で記念撮影に応じる名古屋大の天野浩教授=23日、東京都江東区の東京ビッグサイト青海展示棟で

 ノーベル賞受賞者の天野浩・名古屋大教授らの研究グループが、青色発光ダイオード(LED)の素材「窒化ガリウム(GaN)」を用いた「パワー半導体」で車の部品を開発。電気自動車(EV)に搭載して走らせることに世界で初めて成功した。消費電力を従来のEVより二割以上削減できるという。 (芦原千晶)
 二十四日に開幕の東京モーターショー(東京都江東区)で「天野ブルー」と名付けた青色のコンセプトカー(四人乗り、全長三・〇五メートル)を展示した。
 天野教授は二〇一四年、青色LEDの開発で赤崎勇・名城大終身教授らとノーベル物理学賞を受賞。青色LEDの素材のGaNは、省エネで高出力の「パワー半導体」の材料としても注目され、研究が進む。
 天野教授らは、GaNのパワー半導体の制御回路を改良し、電力の出力を従来の十倍以上に高めることに成功。この半導体を使って電流を直流から交流に変える「トラクションインバーター」を開発し、搭載したEVを走らせた。
 このインバーターは、シリコンの半導体を使った従来品に比べて消費電力が約六割削減されるため、従来のEVよりも約24%抑えることができる計算だという。「走行距離が延びたり、空調を使う時の心配が減ったりするメリットもある」と天野教授。現在の最高時速は約五十キロだが、本年度中に百キロを目指す。
 十月には一般社団法人「GaNコンソーシアム」を設立し、産学でGaN半導体の研究開発や実用化を進める体制も整ってきた。天野教授は「GaN半導体を使った部品の性能が良いと証明できた。製造技術や態勢、コストなどの課題を克服し、二五年には普及化を始めたい」と話した。

◆あす一般公開

 自動車メーカー各社がEVなどの最新技術を披露する東京モーターショーの開会式が二十四日午前、東京ビッグサイトで開かれた。EVの市販車や試作車を紹介し、電機メーカーなど多様な業界と協力して未来の暮らしや乗り物を体感できる内容となる。一般公開は二十五日~十一月四日。
 高校生以下は入場無料とし、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」の大会を開催するなど若者の集客に力を入れる。来場者数は前回二〇一七年の約七十七万人を超える百万人を目指す。

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