米イージス艦 見張り不適切 7人死亡事故 運輸安全委報告書

2019年8月29日 16時00分
 静岡県・伊豆半島沖で二〇一七年六月、米イージス艦とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突、イージス艦の乗組員七人が死亡した事故で、運輸安全委員会は二十九日、イージス艦側の見張りが不適切だったとする調査報告書を公表した。近くを航行する別の船に気を取られた上、レーダーの調整不足でコンテナ船の動向を把握できなかった。
 報告書によると、一七年六月十七日午前一時半ごろ、南進中のイージス駆逐艦フィッツジェラルド(八、二六一トン)と、北東へ航行していたコンテナ船ACXクリスタル(二九、〇六〇トン)が衝突。イージス艦の居室部分に浸水し乗組員七人が水死、艦長ら三人も負傷した。
 イージス艦では当時、当直士官三人がレーダーや目視で見張りを実施。午前一時二十分ごろ、コンテナ船を目視で確認したが、コンテナ船と並ぶ形で北側を航行する船に注意が向き、針路や速力を維持。その後、レーダーの調整不足のため周囲三~五キロの船を画面で確認するのが困難になり、事故直前に左かじいっぱいの指示を出したが間に合わず、衝突した。
 イージス艦は進路右側にコンテナ船を見る位置関係にあった。ルール上、イージス艦が回避行動を取ると見込んでいたコンテナ船は、注意喚起のための信号灯を照射したがイージス艦側は気付かず、コンテナ船も針路や速力を変えなかった。
 安全委は、コンテナ船の関係者から聞き取りをしたが、イージス艦側へは直接調査できず、一七年十一月に米海軍が公表した報告書や、安全委が米沿岸警備隊を通じて海軍から得た情報などを基に調査結果をまとめた。担当者は「三カ国の協力関係で調査でき、あまり支障はなかった」と述べた。海軍は事故後、人員配置や当直計画を見直した。

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