茶色の市街地「海のよう」 九州北部大雨 車の屋根も見えず

2019年8月28日 16時00分

大雨で浸水した佐賀県武雄市で、住宅の2階に避難した市民ら=28日午前11時55分

 川があふれ、市街地は茶色く濁った水に覆われた。「海のようだ」。二十八日未明から九州北部を襲った猛烈な雨で、佐賀県内各地で道路の冠水や車両の水没が相次いだ。武雄市内は広範囲で浸水。JR佐賀駅(佐賀市)構内もくるぶしほどの高さまで水が押し寄せた。
 「一帯が水没して、車の屋根も見えなくなった」。武雄市北方町の永源寺に家族四人で避難している会社員の男性(59)は、不安げに振り返った。避難を始めようとした午前六時ごろには車のドアも開けられない状況に。その後一時間ほどで、さらに急激に水かさが増えたという。
 武雄市内のコンビニエンスストアでは店舗前の道路が冠水し、商品配送ができなくなった。店員は「今並んでいる商品の期限が切れて撤去すると、棚が空になってしまう。早く雨がやんでほしい」とうらめしげ。
 共同通信ヘリで上空から見た市街地は、一面が茶色の水に漬かり、一階部分が浸水した民家の屋根が小島のように点在していた。
 長崎線などが運転を見合わせた佐賀駅前では、通行人が靴を脱いだり、ズボンの裾をまくったりして、水しぶきを上げながら行き来した。会社員松尾貴昭さん(56)は「普段なら家から駅まで五分ぐらいだが、一時間ほどかかった。列車が動いていないので、会社に行かず家に帰るしかない」とあきらめ顔で話した。
 短パンとサンダル姿で駅の様子を確かめに来た会社員梶原千明さん(35)は、家が山に近いため、土砂崩れを警戒して前日から駅近くのホテルに宿泊していた。「電車も車も使えなくてどうしようもない。しばらくホテルにこもる」と、疲れた様子だった。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧