3歳で脳腫瘍になった少年 経験を絵本に 「ぼくはレモネードやさん」著者・栄島四郎君(12)「小児がん知って」

2019年8月29日 11時35分

出版間近の絵本「ぼくはレモネードやさん」を手にする作者の栄島四郎君=横浜市で

 三歳で小児がんを発症し、治療法の研究支援のためチャリティーのレモネードスタンドを開いた横浜市の小学生が三十日、絵本「ぼくはレモネードやさん」(生活の医療社)を出版する。自らの経験を踏まえてストーリーを作り、絵も一人で描いた。「小児がんについて知ってもらい、研究が進んでほしい」との願いを込めて。(梅野光春)
 作者の同市立平沼小六年、栄島四郎君(12)は三年生の冬からレモネードスタンドを開いてきた。「小児がん患者の子どもたちを救おう」と米国で二〇〇〇年に始まった活動に倣い、これまでに約二十回、手づくりのレモネードを提供。収益は小児がんの研究資金などとして寄付している。
 栄島君は三歳で脳腫瘍が見つかり、悪性と分かった五歳の時に切除手術を受けた。絵本には、同じ病院にいた小児がん患者の友人とブロックやトランプで遊んだことを振り返りつつ、その後亡くなった女の子など五人の思い出も記した。

栄島四郎君(右)らが昨年8月に開いたレモネードスタンド

 「小児がんは種類が多く、まだ治療法がない場合もある。友だちの例から、いろんな症状があると知ってほしい」と栄島君は話す。手術が成功しても、後遺症に悩まされることもある。栄島君も放射線治療で成長ホルモンの分泌が抑えられ、二年前から週六回の注射で不足を補う。ストーリーには、そんな自分の「いま」も盛り込んだ。

絵本「ぼくはレモネードやさん」から

 もともとは、がん患者の集まりなどで自己紹介代わりに使おうと昨年秋にまとめた八枚組の紙芝居だった。これが出版社の目に留まり、大幅に書き足して四十ページの本として出版されることになった。透明感のあるペン画は、笑顔あり、泣き顔ありで表情豊か。「五歳のころからリハビリで描いているうち、絵が好きになった」と照れ笑いする。

絵本「ぼくはレモネードやさん」から

 巻末で主人公は宣言する。「ぼくの目標は300才まで生きることです。300才まで無理なく、ゆる~く、楽しく、レモネードスタンドをがんばっていこうと思っています」(原文のまま)。込めた願いは「レモネードスタンドの活動がブームではなく、世の中にしっかり根付いてほしいから」という。
 B5判、オールカラーで千五百円(税別)。インターネット通販大手のアマゾンジャパンで予約を受け付けている。問い合わせは、生活の医療社=電03(6820)8371=へ。

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