量子計算機 スパコン超え 1万年→3分20秒、グーグルが開発

2019年10月24日 16時00分
 次世代の超高速計算機と期待される量子コンピューターの試作機を使い、世界最高速のスーパーコンピューターより速く計算できる「量子超越性」を初めて実証したと、米グーグルの研究チームが二十三日、英科学誌ネイチャーに発表した。新材料や新薬の開発などに使える本格的な量子コンピューターの開発に向けた重要な一歩だとしている。
 ただ、今回は量子コンピューターに有利で実用性に乏しい問題を選んで解かせた。現在の計算能力は産業利用には足りず、間違いも起きる。多様な問題を正確に解くスパコンと競う水準に達するのはまだ先とみられる。
 チームは、従来のコンピューターと量子コンピューターの性能を比較できるような問題を準備。グーグルの量子コンピューターが三分二十秒で解く問題を、米オークリッジ国立研究所のスパコン「サミット」にやらせると、一万年かかると見積もった。
 一方、IBMの研究者は今回の結果を疑問視する意見を発表した。
 グーグルの研究結果は九月、米航空宇宙局(NASA)のウェブサイトに一時流出。圧倒的な計算能力でどんな暗号も破るコンピューターが将来登場するのではないかとの懸念を呼んだが、専門家からは否定的な見方が出ている。
 量子コンピューターは素粒子のようなごく小さな物質の世界で起こる現象を利用し膨大な計算を一度にこなす。超高速で省電力な上、従来型コンピューターの処理速度の限界を超えられるとして、米IT大手などが研究開発を進めている。

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