京アニ寄付に税優遇 損金算入・ふるさと納税活用 政府検討

2019年8月22日 16時00分

京都アニメーション放火現場近くの献花台には、今も大勢の人が訪れる=18日、京都市伏見区で

 京都アニメーションの放火殺人事件を巡り、政府が、同社に寄付する個人や企業などに対して税制面の負担を軽減する措置を検討していることが二十二日、分かった。企業が特定企業に寄付する場合は損金として算入できる金額に限度があるが、地方公共団体などを通すことで全額算入できる仕組みを活用する。個人についてはふるさと納税の仕組みを生かす。京アニへの寄付を促し、再建を後押しする。特定の企業を念頭に税制面で優遇措置を検討するのは異例。
 経済産業省や財務省、国税庁が協議し、詳細を詰める方針だ。世耕弘成経産相は二十二日の閣議後の記者会見で「現時点で具体的に決まっていないが、どういう仕組みが望ましいか検討を進めている」と、支援に前向きな姿勢を示した。麻生太郎財務相は「(案が)出てきた段階で検討しないといけない」と述べた。
 企業が一般の寄付金として支出する場合、損金にできる金額は資本金や所得に応じて上限が決められている。企業が支援に慎重になる一因となっており、政府は寄付を促す環境の整備が必要と判断した。
 一方、地方公共団体への寄付は全額を損金として算入でき、税負担はない。
 ただ特定企業への寄付を目的に、全額を損金算入するために地方公共団体を通す形になると「脱法行為になる可能性がある」(税務当局)という。寄付を受け入れた自治体が、京アニに限らず犯罪被害にあった企業を支援するための資金として扱うなどの制度設計が課題になりそうだ。
 特定の企業に対する個人の寄付金は税額控除の対象とならず、課税されている。そのため、自治体への寄付に対して所得税と住民税が軽減されるふるさと納税制度を活用し、負担を軽減する。

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