ペダルなし二輪車、事故多発 道路・坂道「走らないで」

2019年8月22日 02時00分
 ペダルがなく、地面を蹴って進む幼児向け二輪車=写真、国民生活センター提供=を巡る事故が増えている。消費者庁は一部の病院からの報告で昨年度に二十一件の事故を確認しているが、実際はさらに多く事故が起きている可能性がある。ペダルのない二輪車は法律上、自転車に含まれないため、事故統計もない。子どもの事故が懸念される夏休み。消費者庁やメーカーは「公道や坂道で使わないで」と注意を呼びかけている。 (井上真典)
 今月十日には、新潟県関川村湯沢の駐車場近くの村道で、ペダルのない二輪車に乗っていた四歳男児が崖から二十メートル下に転落し、大けがを負った。助けようとした男性(54)も転落し、頭の骨を折るなどして死亡した。県警村上署によると、村道から崖までの間は緩やかな下り坂だったという。
 昨年九月には、岡山県倉敷市の市道で、四歳男児がペダルのない二輪車で緩い下り坂を走行中、車にはねられて死亡した。
 消費者庁によると、ペダルのない二輪車は二~六歳が対象で、「ランニングバイク」「トレーニングバイク」とも呼ばれる。自転車に乗る前にバランス感覚を養うための遊具で、ブレーキが付いていないものが主流。メーカーによると、幼児の多くは一定の握力が備わっていないため、ブレーキを付けても操作は難しいという。
 消費者庁は二〇一一~一八年度、計百六件の打撲や骨折などをした事故を確認。半数以上の五十四件が坂道で発生していた。発生場所別では、道路が五十件(47・2%)、公園・遊園地が二十四件(22・6%)など。ただ、全国二十四の病院(六月時点)から得た情報に限られており、実際の事故はもっと多いとみられている。倉敷市の四歳男児の死亡事故は、消費者庁の事故情報には入っていない。
 道路交通法は、自転車を「ペダルを用い、かつ人の力により運転する二輪以上の車」と定義している。ペダルのない二輪車は、交通事故統計では「歩行者」として扱われる。警察庁によると、歩行者事故の分類で、車いすやベビーカー、ローラースケートなどは個別の統計件数があるが、ペダルのない二輪車は「その他」に含まれ、個別の統計は取っていないという。
 人気商品「ストライダー」の正規代理店で、全国に九百カ所以上の販売店を持つ「Ampus」(東京)は「公道禁止」「ヘルメットをつける」「保護者の同伴で遊んで」という三つの原則を掲げ、事故への注意を呼びかけている。
 ペダルの着脱が可能なブレーキ付きの幼児向け二輪車を販売している「ビタミンアイファクトリー」(東京)の渡辺未来雄社長も「子どもの事故が起きてからでは遅い。絶対にルールを守ってほしい」と訴える。

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