「個別指導」指摘後も継続 都の一時保護所、罰は否定

2019年8月17日 02時00分
 東京都の一時保護所が、保護した子どもに「個別指導」という名目で罰を与えていると都の第三者委員が批判し、改善を求めていた問題で、都家庭支援課は「罰として行っていた事実はない」と批判を否定した。本紙の取材に対し、子ども二人が「罰としての個別指導があった」と明かしたが、同課は子どもへの聞き取りをしておらず、「個別指導」を続ける方針という。
 都の一時保護所は、規則を破った子らに対し、廊下のついたて内で寝起きさせたり、辞書の書写をさせたりする「個別指導」をしている。第三者委員四人(いずれも弁護士)は三月、私語をした子らに、こうした「個別指導」をすることは、罰でしかなく、「一時保護所の理念にふさわしくない」と批判し、「すぐにでもやめるべきだ」と改善を求めた。
 小池百合子知事は七月の記者会見で、「重く受け止めなければならない」と表明した。家庭支援課の竹中雪与課長は「真摯(しんし)に受け止めたい」と話し、その後、一時保護所の所長に確認をしたが、「罰として指導をしていることはなかった」と言う。
 しかし、本紙の取材に対し、複数の子どもが「私語を理由にした個別指導があった」と明かしている。親から虐待され、今年、都足立児童相談所の一時保護所に入所した女子生徒は「私語を理由に一週間、ついたて内での個別指導を命じられた。完全に罰だった」と話した。
 同じ保護所にいた別の子は、意見書が提出された三月以降も、子ども同士で笑い合ったとして個別指導になるケースがあったと話した。
 足立児相の辰田雄一所長は取材に対し、「私語による個別指導や、一週間という期間はあり得ない」と否定した。辞書などの書写はさせたが「罰ではなく、自分を振り返ってもらうことが目的」と話した。 (岡本太、森川清志)
<一時保護所> 虐待や非行などの理由で児童相談所に保護された18歳未満の子どもが一時的に生活する施設。家庭で暮らせないと判断されると、子どもを児童養護施設や里親へ委託する。都内には7カ所(定員237人)あり、7月時点の平均入所率は118%。昨年度の1人当たり平均入所日数は42・2日。都の手引では、無断外出や暴力行為など重大な問題を起こした子に、3日程度で個別指導をするが、「絶対に罰として行ってはならない」と規定している。

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